2010年2月27日土曜日

Chile: Punta Arenas & Torres Del Paine (Patagonia): 夢のパタゴニアとマテ茶

[チリ ~プンタアレーナス と パイネ国立公園(パタゴニア)~]

そしてまたあっという間に一週間…。

とうとう夢にまでみたパタゴニアに来ています!
SantiagoからPunta Arenas(プンタアレーナス)を経てPuerto Natales(プエルトナタレス)という町にたどりつきました。
SantiagoからPunta Arenasまでは、世界一周旅行券で先に予約していたので飛行機で移動。ここは4時間ほど。Punta Arenasでは、一泊したんだけど、安いところを狙ってEl Mirador(スペイン語のみ)というホステルをオンラインで予約。英語はほとんど通じないし、町の中心から遠いし、汚いし(床にはゴミが落ちてるし、シーツは毎回変えてるわけではないし)で全然お奨めしません。管理してるおにーさんはいい人だったんだけどねぇ。


この町は結構閑散としていて、あんまりすることなかった。けど、一つできたのは、夕方4時から行くペンギンツアー。Sena Otwayというところ(バスで1時間ほど)にペンギンが群れを作るところがあるんだけど、それがすごく良かった。風がびゅんびゅん吹く中、広大な草原の広がるところに降ろされて、入場料(?)を払って板でできた道を歩くんだけど、そこがとにかく広い。ペンギン見ながら止まりながら歩きながらとすると、バスが待っててくれる一時間なんてあっという間に過ぎちゃう。そこの陸に住んでいるらしく、草原にペンギンの獣道が何本もあって、巣穴にペンギンが寝てたり、自然体のペンギンが見れて「かわいい~」の連続。地平線と海平線と草原と空しかない風景。これぞ夢に見たパタゴニア。風は冷たく寒かったけど、大感動だった。

にしても、今は夏の盛りでSantiagoは暑かったのに、チリって本当に南北に長いなあ。パタゴニアは劇寒です。

町の中心地の小さいバス会社オフィスでチケットを買い、次の日バスでPuerto Natalesに移動。これは3時間ほど。風景を楽しむはずが、寝てすごしちゃった。
Puerto Natalesは Torres Del Paine (パイネ国立公園)に行く観光客が集まる為、Punta Arenasに比べて全然店も人も多い。特にアウトドアショップが多いので、キャンプ用品は結構ここで揃う。
私達は、Backpackers Kaweshkar(スペイン語、英語)というホステルに滞在。オーナーのOmarがTorres Del Paineを良く知っていて、(聞けば)どこのルートを通ればよいか、どこのキャンプがいくらかかるか、どれくらいの食料を持っていけばいいかなど、手取り足取り教えてくれる。
このホステルはこのオーナーの人柄と、知識でHostelworld.comではこの町では一番の人気の宿。部屋も、トイレもお風呂も清潔で、キッチンも広くて全て揃っていて良い!安いし。キッチンとリビングにいれば色んな人と出会えるし、すごくアットホームでお奨め。そうそう、後はキャンプ用品のレンタルがあるのも良い。私達は、テント、マット、寝袋、鍋、キャンプストーブをレンタルした。


そして、いよいよ Torres Del Paineへ!
パイネ国立公園をぐるっと回るCircuit(7~8泊)と、目玉をめぐるW(4~5泊)というルートが人気なんだけど、私達はかなり悩んだ結果、一周することにした。折角ここまできたんだし、時間もあるしということで、挑戦することにした。私にとっては初めての、食料を持って歩く長いトレッキング&キャンプの旅で(いつもは荷物は車で運ぶオートキャンプか、山小屋に泊まる登山)かなり冒険だった。

最初は20キロ近くあるバックパックを担いで出発。
8日分の食べ物ってこんなに重いんだ~と実感した。食料だけで10キロ。テント、寝袋で二人分合わせて10キロ近く。後は水やら洋服やら鍋やら細々としたもので、結局二人合わせて40キロ。
世界一周のための荷物が、二人で36キロだからそれよりも重い。びっくりさぁ。

毎日ほぼ15~20キロ歩くコースで、ばっちり8日間歩いてきた。



デイジーが咲き乱れる誰もいない(とりあえず視界には)草原を夫と歩き、氷河を見、小さい雪崩を見て聞いて、夕日に染まる丘を眺め、300メートル のかなり急な岩山を登った後に現れる3つの岩のTorres(塔)をみて泣き、インスタントラーメンに飽き、風に荷物をさらわれそうになりながら崖の上で 怯えたり、20キロを背負いながら崖をはしごで登ったり、ウイルスがいて下痢になる人が多いと言われてる川から水を飲むしかなかったり、木に止まっている ふくろうとにらめっこしたり、スペイン語と英語を混ぜながら長旅をしてる各国の人やチリ人の旅人と晩御飯を作りながらおしゃべりしたり、エメラルドグリー ンの湖に沿って何回も丘を越えたり、次から次へと心に残る体験ができた、素晴らしい日々だった。
























8日間のキャンプを経て、今また Kawashkarに戻ってきてる。
久しぶりの暖房、シャワー、新鮮な野菜!!そしてインターネット!ああ~、これもまた幸せ。
明日は、El Calafateにバスで移動。Omarがバスのチケットを手配してくれ、チリのペソもばっちり使い果たし、いよいよアルゼンチンに入る準備が整った。


あ、ひとつ新しい体験!
今日初めてマテ茶を体験!もともとはアルゼンチンの文化だけど、何回か私達も町でみかけていた。最初は「一体何を吸ってるんだ?!」と思ったけど、お茶だった!ひょうたんに茶葉を3/4入れ、お湯をそそぐ。茶道みたいにちゃんとルールみたいなものがあって、グループでまわしながらのむ一種のコミュニケーションとしても使われるんだって。
LindseyとCameronがEl Calafateで購入したマテで体験させてくれた。たまたまアルゼンチンのウシュアイアから来ていた子がいて、その子が色々と指導してくれ、面白かった!味はかなり苦いけど、砂糖を少し入れると(邪道らしいけど)おいしい。なかなかおいしいコーヒーが飲めないから、丁度良い代替品かも。私も絶対買う!

この宿とキャンプで一緒だった Cam と Lindseyとも明日でお別れ。寂しいけど、また北に向かうにつれて途中で会うかな?

2010年2月18日木曜日

Chile: Santiago & Viña del Mar: 旅モード

[ チリ ~サンティアゴ と ヴィーニャ・デル・マール~ ]

気づいたら、あっという間に一週間すぎてた!

前回とは一変して、気分はもうすっかり旅モード!
毎日毎日が新しい人、新しい光景、ハプニングとの出会いで、後ろを振り返ってみる時間がない感じ。そんな予定じゃなかったのに~!


長旅経験者からは、長旅は体力を使うからいつもの1週間程の休暇と同じペースで欲張って色々見ようとしちゃだめだよと言われてて、あんまりする事がなさそうな最初のサンティアゴ(Santiago)ではゆっくりするつもりだった…。のに…。
貧乏性なのか(といっても多分初めて長旅する時はきっとみんなそうだと思うんだけど)毎日お金を使って宿に泊まってると、何もしないでいるのが勿体無く感じてしまって。





wine tasting
結局この一週間、周辺の散歩やら郊外のビーチやら、いつの間にかすることを探してしまった。結局一人一日3000円という予算も超え続けて更に罪悪感が!!
まあでもお陰でおいしいチリのワインを素敵なブドウ畑の中にあるワイナリーでテイスティングできたし、地下鉄・バス・タクシーを乗りこなすことができるようになったし、夕日が沈むアンデスに囲まれた美しいサンティアゴの町を丘の上からドキドキしながらも見ることができたし、取敢えずはいっか!




サンティアゴのホステル、Andes Hostel Santiagoは一泊US$17で大満足。
ベッドは寝心地いいし、トイレもシャワーもきれいだし。またサンティアゴに行くときは是非ここにしたい。


beach-vina-del-mar
本当はサンティアゴに五泊する予定だったけど、一泊は郊外のビーニャデルマール(Vina del Mar)ヘ。
ここで最大のミス。こんなに滞在期間に余裕がある渡した地なのに、よりによって、夏の週末を選んでこのリゾート地に行くことにしてしまったのだ~。バスは混み混み、ビーチも混み混み。結局散歩以外何もせず一泊だけしてサンティアゴに逆戻り。まぁここで初めて移動費にかけたお金を食費で削るためにキッチンを使って料理するという手を覚えたからいい経験だったかな。ビーチを歩いて近くの公園の芝生でごろごろできたのもバケーションぽくて良かったし。


city-view-from-hill
サンティアゴは、古い地区と新しい地区でわけることができて、見るところは古い地区の辺りに集中している。公園が多くて、今は夏休みということもあり、たくさんの人が昼から8時半の日が沈むまで芝生でアイスを食べたり、寝そべったり、すごくゆとりを感じる。かっこいい野良犬(雑種なんだけど、かなりシェパードとラブラドールレトリバーの血が濃いみたい)が多く、いたるところで寝そべっていてのんびりモード全開だし。
人は、ラテン系の明るさがあまりないのは少しびっくりしたけど、誠実でとても親切。町もきれいだし、水も東京みたいに水道から飲めるし、交通機関もNYよりずっといい!乾燥していて天気もよく洗濯物も良く乾く。南アメリカの最初の都市としてはすごく過ごし易く、良かった!

さて、そんなこんなで5日間の濃いサンティアゴで都市の生活を満喫し、ついに2年越しの夢のパタゴニアに足を踏み入れた。
でもその話はまた次回…。

2010年2月11日木曜日

機上にて

2月9日、東京→NYの飛行機上。

今回は世界一周旅行券だから、普段乗らないJALに乗る機会に恵まれた。
勿論、貧乏旅行者はエコノミー!色々と経営状況が心配されているJALだけど、久しぶりに「日本のサービス」を飛行機で受けて、日本を誇りに思えた。
数年前乗ったエミレーツ航空みたいに華やかなサービスはないけれども、こまごまとした所が日本のサービスっぽくて心地いい。シート前のポケットの外側にマチ付のポケットがさらについていて私物が整理しやすく忘れ物しにくいだとか、多分乗務員がこまめに掃除をしているお陰でトイレがきれいだとか、機内食がウマいだとか。
こういう細かい事って若い時は気づかなかったけど、歳を取って様々な経験を重ねるうちに見えてくる事だなぁ。若い内は外と比べて日本を批判することしか頭にないけど、今は現実的に、どこでもいい所もあるし悪いところもあると心から思える。歳を重ねるって素晴らしい!
あとは、周りもよく言うように、海外に住んでみて色々と視野を広めることによってわかる日本のよさもあるし。海外滞在万歳。


話し変わって、引き続き夢の実現のスタート時点から遂に一歩踏み出したという実感がまだない。まだふわふわと夢を見ている感じ。何でだろう。昔留学をする時などは、出発の飛行機上では、夢を実現しているなあ、お別れは悲しいけど、新しい未来にドキドキするなぁと思えてたのに。

日本を長期で出るのが久しぶりだからかな。

「ここに落ち着くぞ」という新しい住所がはっきり決まっていないからかな。

久しぶりに実家に落ち着いて、おいしいご飯と何気ない会話、心地よい日々をすごしたからかな。

以前より、頻繁に会ったり、相談にのったりのられたりして「いなくなると寂しいなあ」と言ってくれる友達(要するに、私も離れたくない友達)が増えたからかな。

まあ上記全てだろうね。これがしがらみと言うものなのかしら。歳を重ねる毎に増えていくという…。

仕事をやめて世界旅行の準備に取りかかって早1ヶ月強。その間に引越し、諸手続き、お別れ会、ハワイでの義父母との再会を兼ねた休暇、そしてまた更にたくさんのお別れ。
仕事をしていると体験しないことをバタバタとこなしていく内に、現実から離れていってしまったと言うこともあるのかもしれない。

それは勿論悪いことではなく、自然なんだろう。
こんなに「世界行ってきまーす!」と騒ぎ立てて周りに盛り上げて貰いつつも、実はどこかでフワフワと実感がない私自身は、自分で受け入れてあげるしかないよな。
幸い最初は結構怖がっていたJoeも、私が盛り上がっている内に、このお祭り騒ぎにノッてきて今は私の背中を押してくれる存在までになったからね。相乗効果!二人ってこういう時にいい。良き旦那を持ってよかった。

とはいえ実際問題、この夢見心地は大した問題ではない。実感なんて旅していれば後からちゃんとついてくるでしょう。まあ本当は早めに現実を見始めないと、折角これから毎日遭遇することに集中できないから勿体ないんだけど。だから、ちょっと焦ってるんだけどさ。
ドイツに留学したときもこういう夢見心地がしばらく続いちゃって、今考えると現実をしっかり体験してない勿体ない時期があったからなぁ。まあ、時間はたっぷりあるから、一日一日を集中しながらいろんな体験をして、少しずつ地に足をつけていこうっと。

今朝早速私を現実に戻してくれそうな場面に遭遇。第一カ国目、日本(!)での洗礼。
今日は火曜日、平日。見事通勤ラッシュに大きなバックパックを背負ってぶつかっちゃった。あからさまに嫌な顔もされたし。今思うと、これを「通勤ラッシュにぶつかっちゃった」で終わらせず、「あ、そうだ、だから私は世界旅行に行くんだ」とちゃんと実感できてよかった。

そう、なぜ今世界旅行だったのか。
そこを見失ったら、リスクを冒してまで臨んだこの旅の土台が崩れちゃうからいつでも戻ってこれるよう、ここに書いとこうっと。

  • 一所に落ち着いて家庭を築いていく前に、世界旅行を
    転勤族の家庭に育ったお陰でたくさんの出会いとお別れを繰り返してきて、ひと時は「故郷がない」と嘆いた(卑屈?)時もあったけど、高校からは自分の意思で2~3年に留学・引越しの繰り返し(癖?)。引越しを重ねることが、いろんな所を見ていろんな人や文化に触れる機会を与えてくれ、高い順応性をつけてくれていたことを歳を取って実感した。転勤族効果を親に感謝!
    でも結婚して家庭を築いていく上でさすがに3年に一度の引越しは多いでしょう。今まで一所に落ち着いたことがないだけに、ちょっと不安だけど仕方ない。その前に、最後の足掻き(?)で、子供ができたらなかなか行けない、行くのに時間がかかることや神経をちょっと尖らせておかないといけない所に行って色んな体験をしたい!
  • 30という節目に何か大きなことがしたかった
    友達の同じ歳の双子ちゃんが30になった時にホノルルマラソンという大きな事をやってのけてたのが羨ましく、それがずっと温めてきたこの世界一周という夢を私もこの機に現実にしようという大きな原動力の一つになった。
    本当は私も30になる瞬間位に旅立ちたかったんだけど、決心に時間かかっちゃった。
  • 「その他大勢」の人生がヤダ
    これはさっき書いた通勤ラッシュに揉まれる度にどんどん強くなってきた願望。月曜日にはみんな「あ~月曜日きちゃった」といい、金曜日には「週末だ~!」とはしゃぐ。それの繰り返し。通勤ラッシュで周りを見回すと、毎日頑張って働いて、どんなに出世したり給料増えたりしたりしても結局みんな地下鉄の窓に映る顔は基本的に同じ。
    大学卒業して仕事始めたときは、新しいことばっかりで楽しくてバリバリ仕事をして稼いでナンボって生活をエンジョイしていたけれど、結婚して大きな人生イベントのひとつを終えて同じ生活を続けていたある日、地下鉄の窓に映された私の顔をみて恐ろしくなった。周りのゾンビと同じだ~!!!って。勿論普通に会社に行って出世して、と言うのが悪いのではない。ただ、はっきりした目的もなく目の前の仕事をこなして段々と貯金を増やして安泰の家庭を築き、60歳で定年退職、というのが私の人生で私が目指すところじゃないということ。
    最終的にそうなったとしても、それが私が望んでそうしたと定年のときに言いたい。今のままだと、ただ単に生活の糧を稼ぐ為に仕事をしている(仕事自体は楽しいけど)だけで、金を使うのではなく、金に使われてる感じで、受動的でヤダ。能動的に自分の人生をリードしていくのではない、「その他大勢」なのがヤダ。
  • 人生の引き出しを増やしたい
    なんやかんや言っても、結局これが一番根本的な理由でしょう。世界一周旅行を考え始めたときはまだまだ潜在的にしか存在していなかったこの理由だけど、行こうと決心して初めて言葉に出して意識することができるようになった。今まで漠然と「人生で何か人のために大きなことしたいな」と思い続けてきたけれど、実際それがなんなのかわからず、今もよくわからん。
    思いだけで突き進める20代は終わり!実行に移すきっかけを見つけるひとつの手段として、私が選んだのが、色々吸収できるように、全てをゼロにしてジョブレス・ホームレスという形で様々な人や風景や文化に触れる世界一周旅行で、これをきっかけに引き出しを増やして帰りたい。


おお、目的を書いていたらなんだかわくわくしてきた!やっと少しずつ現実に引き戻されてきた感触あり!
う~ん、今まで夢見心地だったのは、仕事をやめてからは準備で忙しくて自分で当初の目的をじっくりと思考する時間がなく、受動的に状況に流されてきたからという気がしてきた。なんにしろ、よかったよかった。目が覚めてきた。おはよう!

やっぱり書くのって心の整理になるね。

さぁ、もうすぐ初の南アメリカ!
(Hisako)

2010年2月9日火曜日

出発

いよいよ出発の日がきた!

長い長い間温めて来た夢。
ここまでくるのに長かった。
でも動き出したらあっという間にこの日が来てしまった。

大きな決断も怖かった。
それを実行に移すのも腰が重かった。
たくさんの「じゃあ、また一年後」が辛かった。
それでもやりたかったこの世界一周バックパッキングの旅。

三十路、結婚三年目。
どこかに腰を落ち着けて家庭を築いて行く前に、絶対やらなければならないと決めていた旦那との壮大なプロジェクト。
一週間の有休休暇じゃなかなか行けない所を中心に、世界をまわる事にした。




色々と苦労をすることも多いと思う。
でもその苦労を乗り越えるとかけがえの無い人生の実になる事も今までの経験で知っている。
留学から帰国して早8年。
そろそろ、気持ちの良いユルい生活を抜け出して、波乱の日々を送る時が恋しくなって来たのだ。人生の引き出しが足りなくなって来たのかな。
一年かけて、引き出しを増やしてこよう。

イザ、出発!!


(Hisako)