2010年2月11日木曜日

機上にて

2月9日、東京→NYの飛行機上。

今回は世界一周旅行券だから、普段乗らないJALに乗る機会に恵まれた。
勿論、貧乏旅行者はエコノミー!色々と経営状況が心配されているJALだけど、久しぶりに「日本のサービス」を飛行機で受けて、日本を誇りに思えた。
数年前乗ったエミレーツ航空みたいに華やかなサービスはないけれども、こまごまとした所が日本のサービスっぽくて心地いい。シート前のポケットの外側にマチ付のポケットがさらについていて私物が整理しやすく忘れ物しにくいだとか、多分乗務員がこまめに掃除をしているお陰でトイレがきれいだとか、機内食がウマいだとか。
こういう細かい事って若い時は気づかなかったけど、歳を取って様々な経験を重ねるうちに見えてくる事だなぁ。若い内は外と比べて日本を批判することしか頭にないけど、今は現実的に、どこでもいい所もあるし悪いところもあると心から思える。歳を重ねるって素晴らしい!
あとは、周りもよく言うように、海外に住んでみて色々と視野を広めることによってわかる日本のよさもあるし。海外滞在万歳。


話し変わって、引き続き夢の実現のスタート時点から遂に一歩踏み出したという実感がまだない。まだふわふわと夢を見ている感じ。何でだろう。昔留学をする時などは、出発の飛行機上では、夢を実現しているなあ、お別れは悲しいけど、新しい未来にドキドキするなぁと思えてたのに。

日本を長期で出るのが久しぶりだからかな。

「ここに落ち着くぞ」という新しい住所がはっきり決まっていないからかな。

久しぶりに実家に落ち着いて、おいしいご飯と何気ない会話、心地よい日々をすごしたからかな。

以前より、頻繁に会ったり、相談にのったりのられたりして「いなくなると寂しいなあ」と言ってくれる友達(要するに、私も離れたくない友達)が増えたからかな。

まあ上記全てだろうね。これがしがらみと言うものなのかしら。歳を重ねる毎に増えていくという…。

仕事をやめて世界旅行の準備に取りかかって早1ヶ月強。その間に引越し、諸手続き、お別れ会、ハワイでの義父母との再会を兼ねた休暇、そしてまた更にたくさんのお別れ。
仕事をしていると体験しないことをバタバタとこなしていく内に、現実から離れていってしまったと言うこともあるのかもしれない。

それは勿論悪いことではなく、自然なんだろう。
こんなに「世界行ってきまーす!」と騒ぎ立てて周りに盛り上げて貰いつつも、実はどこかでフワフワと実感がない私自身は、自分で受け入れてあげるしかないよな。
幸い最初は結構怖がっていたJoeも、私が盛り上がっている内に、このお祭り騒ぎにノッてきて今は私の背中を押してくれる存在までになったからね。相乗効果!二人ってこういう時にいい。良き旦那を持ってよかった。

とはいえ実際問題、この夢見心地は大した問題ではない。実感なんて旅していれば後からちゃんとついてくるでしょう。まあ本当は早めに現実を見始めないと、折角これから毎日遭遇することに集中できないから勿体ないんだけど。だから、ちょっと焦ってるんだけどさ。
ドイツに留学したときもこういう夢見心地がしばらく続いちゃって、今考えると現実をしっかり体験してない勿体ない時期があったからなぁ。まあ、時間はたっぷりあるから、一日一日を集中しながらいろんな体験をして、少しずつ地に足をつけていこうっと。

今朝早速私を現実に戻してくれそうな場面に遭遇。第一カ国目、日本(!)での洗礼。
今日は火曜日、平日。見事通勤ラッシュに大きなバックパックを背負ってぶつかっちゃった。あからさまに嫌な顔もされたし。今思うと、これを「通勤ラッシュにぶつかっちゃった」で終わらせず、「あ、そうだ、だから私は世界旅行に行くんだ」とちゃんと実感できてよかった。

そう、なぜ今世界旅行だったのか。
そこを見失ったら、リスクを冒してまで臨んだこの旅の土台が崩れちゃうからいつでも戻ってこれるよう、ここに書いとこうっと。

  • 一所に落ち着いて家庭を築いていく前に、世界旅行を
    転勤族の家庭に育ったお陰でたくさんの出会いとお別れを繰り返してきて、ひと時は「故郷がない」と嘆いた(卑屈?)時もあったけど、高校からは自分の意思で2~3年に留学・引越しの繰り返し(癖?)。引越しを重ねることが、いろんな所を見ていろんな人や文化に触れる機会を与えてくれ、高い順応性をつけてくれていたことを歳を取って実感した。転勤族効果を親に感謝!
    でも結婚して家庭を築いていく上でさすがに3年に一度の引越しは多いでしょう。今まで一所に落ち着いたことがないだけに、ちょっと不安だけど仕方ない。その前に、最後の足掻き(?)で、子供ができたらなかなか行けない、行くのに時間がかかることや神経をちょっと尖らせておかないといけない所に行って色んな体験をしたい!
  • 30という節目に何か大きなことがしたかった
    友達の同じ歳の双子ちゃんが30になった時にホノルルマラソンという大きな事をやってのけてたのが羨ましく、それがずっと温めてきたこの世界一周という夢を私もこの機に現実にしようという大きな原動力の一つになった。
    本当は私も30になる瞬間位に旅立ちたかったんだけど、決心に時間かかっちゃった。
  • 「その他大勢」の人生がヤダ
    これはさっき書いた通勤ラッシュに揉まれる度にどんどん強くなってきた願望。月曜日にはみんな「あ~月曜日きちゃった」といい、金曜日には「週末だ~!」とはしゃぐ。それの繰り返し。通勤ラッシュで周りを見回すと、毎日頑張って働いて、どんなに出世したり給料増えたりしたりしても結局みんな地下鉄の窓に映る顔は基本的に同じ。
    大学卒業して仕事始めたときは、新しいことばっかりで楽しくてバリバリ仕事をして稼いでナンボって生活をエンジョイしていたけれど、結婚して大きな人生イベントのひとつを終えて同じ生活を続けていたある日、地下鉄の窓に映された私の顔をみて恐ろしくなった。周りのゾンビと同じだ~!!!って。勿論普通に会社に行って出世して、と言うのが悪いのではない。ただ、はっきりした目的もなく目の前の仕事をこなして段々と貯金を増やして安泰の家庭を築き、60歳で定年退職、というのが私の人生で私が目指すところじゃないということ。
    最終的にそうなったとしても、それが私が望んでそうしたと定年のときに言いたい。今のままだと、ただ単に生活の糧を稼ぐ為に仕事をしている(仕事自体は楽しいけど)だけで、金を使うのではなく、金に使われてる感じで、受動的でヤダ。能動的に自分の人生をリードしていくのではない、「その他大勢」なのがヤダ。
  • 人生の引き出しを増やしたい
    なんやかんや言っても、結局これが一番根本的な理由でしょう。世界一周旅行を考え始めたときはまだまだ潜在的にしか存在していなかったこの理由だけど、行こうと決心して初めて言葉に出して意識することができるようになった。今まで漠然と「人生で何か人のために大きなことしたいな」と思い続けてきたけれど、実際それがなんなのかわからず、今もよくわからん。
    思いだけで突き進める20代は終わり!実行に移すきっかけを見つけるひとつの手段として、私が選んだのが、色々吸収できるように、全てをゼロにしてジョブレス・ホームレスという形で様々な人や風景や文化に触れる世界一周旅行で、これをきっかけに引き出しを増やして帰りたい。


おお、目的を書いていたらなんだかわくわくしてきた!やっと少しずつ現実に引き戻されてきた感触あり!
う~ん、今まで夢見心地だったのは、仕事をやめてからは準備で忙しくて自分で当初の目的をじっくりと思考する時間がなく、受動的に状況に流されてきたからという気がしてきた。なんにしろ、よかったよかった。目が覚めてきた。おはよう!

やっぱり書くのって心の整理になるね。

さぁ、もうすぐ初の南アメリカ!
(Hisako)

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