2010年6月27日日曜日

Costa Rica: Manuel Antonio: 野生動物天国!

[ コスタリカ ~マニュエル・アントニオ~]

61823時、Panama City(パナマ市)発の中南米最後の長距離バスに乗り込んだうちら。
最終目的地は、国立公園がある、Manuel Antonio(マニュエル・アントニオ)。

直線距離では結構近いんだけど、パナマからの直行便も無いし、途中のSan Jose(サン・ホゼ)方面とマニュエル・アントニオ方面に分かれる分岐点でも降ろしてくれない。なので、北のサン・ホゼまで一旦行って、市バスに乗り換えて、4時間来た方向に戻るしかない。
時間の無駄じゃ~!ま、仕方ない。

まずは、Costa Rica(コスタリカ)のサン・ホゼまで、16時間。
暑い暑いパナマを離れ、クーラーがギンギンにきいたバスは順調に午前5時半に国境に到着。

ちゃんとバス会社が時間を見計らって出発時間を考えてるかと思いきや、なんと暗い出国管理局のオフィスの前で眠い中、立ったまま開くまで1時間半も待たされた!そんならもっと遅くに出発すればいいのに~。
ここで初めて、出国時の荷物チェック。荷物を並べて、かわいい犬がお仕事しているのを眺めること1分。あっと言う間に犬はどっかに行ってしまい、今度は荷物の中を開けての荷物チェック。バックパックの中身を掘り返すのが面倒くさいのか、外国人だからなのか、うちらはバックパックを開けもせずに通してくれた。
この時点で既に7時半!

時計を一時間戻して(時差がある為)、次はコスタリカの入国手続き。
200m程歩いて国境を越え、こちら側は24時間開いている入国管理局へ。しかし、すぐに入国審査は終わったものの、ここでも荷物チェック担当がタラタラと来るのが遅かった為、また1時間待ち。結局、パナマと同様、うちら二人の荷物は開ける事もなくすんなりと通してくれたけど。
最終的に、国境を出たのは8時半。う~ん、ちゃんとサン・ホゼに時間通りに着くのかな?!

…着いた!時間通りどころか、30分も早い、2時半到着。
やっぱり、出発時間を見直したほうがいいと思う…。

さてそれはともかく、サン・ホゼに到着したのは良いんだけど、大きなターミナルではなく、Ticabusの自社ターミナル。そのままマニュエル・アントニオに向かう私達は、市バスが出る Coca Cola Bus Terminalに行かなきゃいけない。面倒だにゃ~。

まだ両替していなかったけど、コスタリカは、レートはともかく、大体どこでもUSドルが使える。
タクシーに5ドル払って、コカ・コーラ バスターミナルへ。
実はそんなに遠くなく(運ちゃんは一生懸命遠回りしていかにも遠そうに見せてたけど)、5ドルは激高だったと知った時は後の祭り。
ま、そんな事で悔しがってたら旅はできない。むしろ、自分の甘さを反省せねば。

無事、ターミナルについたけど、ここ、とてもメインバスターミナルに見えない位、整備されていなく、ちょっと汚い。ピンク街が近くにあるとかで、治安があまり良く無いそうな。あんまり危険は感じなかったけど…。色んな人が親切にバスチケット売り場とか、どのバスがどこ行きなのか教えてくれたのは嬉しかったな。

次のマニュエル・アントニオ直行便(片道3時間半)は6時半で4時間も待たなきゃいけないと知り、呆然としてると、バスのチケットカウンターのおばちゃんが親切に、一町手前のQuepos(ケポス)行きのCollectivo(コレクティーボ)なら4時間半かかるけど3時には出ると教えてくれ、それに乗ることにした。

コレクティーボだから、ちっさいワゴンかと思ってたら、普通のバスだった!色んなところで人をピックアップするからコレクティーボと呼んでるらしい。
まだ両替できていなかったから、USドルで運転手さんに直接払い(直行便はチケットを窓口で買わないといけないけど、コレクティーボは直接運転手さんに払う。おつりは、コスタリカコローネスで返してくれた)、無事乗車。

町を出てすぐに熱帯雨林に囲まれた道路に入り、途中何回か止まりながら、夜7時半にはちゃんとケポスに到着。暗くて雨も降ってたので、バスではなく、タクシーで5分ほどのマニュエル・アントニオのホテルまで5ドルで移動。パナマを出て、約21時間後、やっとホステルにチェックイン!
ふぅ~。お疲れ、うちら!

次の日、早速朝6時に目が覚め、外に出ると…猿が!!!いきなり感動。
この村、マニュエル・アントニオは既に熱帯雨林に囲まれていて、野生動物が自由に村の中をうろうろしている。
ホステルのオーナーの女性はとってもいい人で動物好き。
ホステルには、猿に加えて、ハチドリ、イグアナ、ナマケモノまで兎に角多彩な来客があるらしい。

マニュエル・アントニオ国立公園は、そのアクセスの良さと野生動物が比較的見つかりやすい事からか、観光客の足が絶えない。小さなマニュエル・アントニオ村は、ホテル、ホステル、レストラン、バーがずらりとならんで、ちょっとバリのクタを思い出した。
私達は、そんな村並みを眺めながら、35円程のバスに乗らず、徒歩30分ほどかけて公園へ。だって、行く途中に動物が見えるかもって言われたんだもん。結局、うちらの目が慣れていないせいか、見つからなかったけど。

高めの入場料、一人10USドルを払って入場。
それから午後3時半まで、ジャングルの中を歩いたんだけど、ひっきりなしに野生動物に遭遇して本当に面白かった~。動物園みたいだったけど、自分で探さなきゃいけないのがまた楽しかった。
子供を連れてきていた観光客もいっぱいいたけど、子供にとっては本当に面白いところだろうなあ。

多くの観光客は、ガイドをつけたほうがいいと言うけど、ここでは、ガイドをつけないで自力で見つけるほうがずっと楽しいと思う。
メインの道は広くて、そこでもたくさん動物に遭遇するのは遭遇するんだけど、人が多いのでうちらは人気の無い脇道にいくつか入ってみた。
これが大正解!そこの方が静かだし、もっと近くで動物を見れて、満足度大。

6時間半の間に見た動物は…

大中小トカゲ: 21
緑のトカゲ: 1
Jesus Lizard(?): 1
(キモイ!)百足: 3
緑の細長い蛇: 2
金のデカ蟻: 3
ホワイトフェイスモンキー: 2
蜘蛛: 2
ナマケモノ: 5
イグアナ: 6
キツツキ: 1
狸: 2
Aguti: 2
でっかい蚊?!: 1
森に住むでっかいきれいな蟹: 2

など。

テンションがあがったのは、ナマケモノ、蛇、イグアナ!

ナマケモノって、本当に動きがお~~そ~~~~い~~~~。見てて笑っちゃう動物ってなかなかいないよなぁ。とっても間抜けでかわいい。
フンをする為に二週間に一度地面に降りてくるとか(なんで上からしないのかな~)、肉がまずすぎるから他の動物に狙われないとか、目が悪くて音にしか反応しないからこっちが近くで何してもあんまり見えて無いとか、普通の顔が笑ってるように見えるとか、子供が捕まりやすいように背中の一部は生まれつき禿げてるとか、突っ込みどころが満載のナマケモノ。
お陰で、私のコスタリカの想い出は、ナマケモノになってしまった。




一方、蛇には、脅かされたなぁ。
人気が無い細い道を歩いてると、目の前に首だけ90度も高々と持ち上げて、こっちを見てる奴が!目が合った瞬間、思わず叫んじゃった。
後でよく見たら、鮮やかな緑で、しかも目も頭の形も丸く(=毒をもっていない)て安全で、体はなが~く、静かにすらすらと木を伝っていくとっても上品な蛇だった。私もきっとびっくりさせちゃったよね。ごめんね~。



イグアナは、見つけるのが難しいと思いきや、普通にメインのでっかい道の真ん中にドドーンと座ってらっしゃった。あんまり動かず、じーーーっとしてるので安全かと思いがちだけど、実はイグアナは凶暴にもなるので、みんな遠巻きに写真をパチリ。
国立公園は、海に面してる部分もあるので、ビーチのほうに歩いていくと、ビーチを囲む木々の間にいっぱいイグアナちゃんがいらっしゃった。森より暑い砂がお好きなのかしら?!



今回は時間がなくて、アクセスの良い、観光客がいっぱいのこ の公園にしたけど、意外とたくさんの野生動物を目にし、中南米の最後の最後にこんな想い出に残る所を選んで二人ともとっても満足だった。
他の動物の写真もご覧あれ~!












今度地球のこっち側に来たときは、もっと余裕を持って、観光 客の少ない、秘境ジャングルにも足を伸ばしたいなあ。
さて、次の日、また4時間のバスの旅を経てサン・ホゼに向かい、更にその次の日は、いよいよ北米へ。

中米は駆け足だったので、次回来たときは、じっくり、パナマからメキシコまで堪能したいな。

2010年6月25日金曜日

Panama: Panama City: パナマ運河の経済効果

[パナマ ~パナマシティー~]

中米に突入!
ここでガラッと変化が。

  • 熱帯雨林気候
  • シャワーがデフォルトでお湯なし(=暑くていらないから)
  • 立ち並ぶ超高層ビル
  • トイレにトイレットペーパーが流せる!(南米では、使ったペーパーは備え付けのゴミ箱に捨てる)
  • タクシーの車が新し目
  • 物価が高い
  • 水道水が飲める!(=レストランで無料の水が出る!)
  • 公衆便所がきれいで、トイレットペーパーを持ち歩かなくて良い
  • アメリカと同じサイズ、同じ店舗が入っているメガモールがある

要するに、暑くてリッチ!
特に、トイレにトイレットペーパーが流せるのと水が飲めることは感動した。


さて、何がこんなにこの国をリッチにさせるのか。
そう、パナマと言えば、パナマ運河!
運河効果なのだ~!

パナマ運河はパナマを南北(東西じゃないよ~!私も誤解してたけど)に分ける、船の航行の為に作られた人工的な川。
パナマのColon(コロン)という北にある町と、南のパナマシティーを通過していて、この二つの町に水門があり、真ん中の海抜が高い人口湖との水位の違いを調整して船を通す仕掛け。
詳しくは、WikiPedia参照。

この運河、通るのに荷物の重さで課金されるらしく、今までで最高は、豪華客船で313,000USD、そして最低は、泳いで渡った冒険家の36セントだって。
実際見た感じ、あの汚い水の中、水門でゆっくり水の調整をするのを一人で待って、泳ぐのがすごい冒険だよと突っ込みたくなった。
ま、とにかく、私たちが行ったときでも午後1時半から「船のパレードだよ」と係員のおじちゃんが言ってた通り、毎日何隻もコンテナ船が通ってるからかなりの収入に違いない。実際、国の経済もこのパナマ運河の収入に頼っているらしい。
小さい国なのに、このちょっとした運河で大収入ってすごいなぁ。

運河は、コロンからパナマシティーまでずっと通ってるから見るならどこでも良いかというと、そうでもない。多分、観光客がみたいのは、水門。
で、ちゃんとパナマシティーのはずれの水門とその前に建つ博物館があるミラ・フローレス閘門にいってきた。
9時に開くからと折角朝に行ったのに、その日は実際船が通るのは1時半からだとのこと。
仕方ないので、旧市街のCusca Viejo(クスカ・ビエホ)に途中行き、ランチを食べてまたとんぼ返り。
でもやっぱり見るだけの価値あり!
つまんない、という人もいるけど、私達にはすごく面白かったなぁ。


今まで、毎日ほぼ100年船を通し続けてきたこの水門。
ここを通る為には、船長は、パナマ運河のエキスパート(海軍学校にパナマ運河航行専門科があるらしく、ここで勉強した人しか運河で船を動かすことができないとか。)にコントロールを渡さなきゃいけないらしい。そんなこと、世界中でパナマ運河だけなんだって。
閘門が閉まり、水位があがったり下がったりして、船(&船の船員)がその中で待ち、もう一つの閘門の水位と同じ高さになったら門が開く。
この閘門、幅がすごく狭くて、船がぶつからないかハラハラするけど、さすがプロ、そんなヘマはしない。
いや~、天晴れ!








パナマシティーは、金持ちなので、コロンビアよりも人の生活に余裕があり、よって人もフレンドリーかと思いきや、そんな事は無かった。
特に、南米でもフレンドリーさがピカイチのコロンビア人との触れ合いのすぐ後だったからか、擦れた感じの人が多い感じがして、個人的には疲れたなぁ。
ボリビアも貧しい国だけど、人はもっと誠実で暖かかった。

パナマシティーでは、こっちが笑顔でも笑顔が返ってこないし、タクシーもいちいち交渉がやりにくくて面倒くさい(あんまりフレンドリーじゃないから何を考えてるかわからず、交渉しにくい)し、物価は高いし。
観光客が多い町ではそういうことが起こりやすいので、きっとパナマシティーも同じなんだと思う。実際、勿論いい人もいたよ~。ただ、コロンビアに比べて、外国人に対してフレンドリーな人の率が断然少なかった。ちょっと悲しかったな。
これも、運河をなかなか引き渡さなかったアメリカとの歴史が背景にあるんじゃないかなぁ。

さて、交渉で一つしくじったことがあった。
交渉しすぎて(地元に住んでる西欧人でも4人で$12払う距離を$6で交渉成立させた)、運転手を怒らせたんだろうねぇ。
うちら4人で、楽しくタクシーに乗ってホステルに向かってたら、この日は労働者デモで至る所で道が封鎖されていた。それを理由にタクシーから降ろされてしまったのだ。
「え、ホステルまで送ってくれないと困るんだけど。」
「道が閉まってるから無理。ここから右に曲がって歩けば5分ほどで着くよ」
「もっと先に行ったら右折できそうだよ。ほら、あの車を見て」
「いいや、無理。とにかくここで降りてくれ。ホステルまで近いんだし」

うーーーーーーーん。
あんまり納得がいかない。でも、まあすぐなら歩くか。
と、ちょっと歩いてみて気づいた。
路上を歩いている人が少ない!アパートはボロボロ!窓から下を見下ろしている人は大勢いるけど(これから始まるデモの野次馬?)、みんな目つきがどんよりしている。
ちょっとおかしいと、Joeがすぐ道を閉鎖して忙しそうな警察に聞いてみた。
「Perejil(ペレヒル。うちらのホステルがある地区)はこっちに5分歩けば着く?」
「そっちじゃないよ!あっち」と、運転手とは違うほうを指す。でも忙しそうであんまり相手してくれない。

仕方なく、角に立っている人に聞いてみた。(この人はちょーいい人だった)
なんと、ペレヒルは警官が指した方向に歩いたら1時間かかるとか。
やられたっ!!!!!
こうなったら、タクシーをまた拾うしかない。悔しいけど、交渉しすぎた私たちも悪かったんだろう。相場を知らないって怖いな~。

さて、次のタクシーの運転手さんはとってもいい人!
うちらが降ろされた所にうちら4人がいたこと自体がびっくりしたみたい。「ひどい奴だ」と最初の運転手のことを言っていた。
うちらがタクシーに乗り込むと、すぐ「ドアのロックをしてくれ」と。
やっぱり危ないところだったのね~~!
ワールドカップの話でひとしきり盛り上がり、封鎖されまくって遠回りを重ねて大変だったのにも関わらず、最後までしっかり明るく対応してくれた。
やっぱり良い人もいるよね♪

で、ホステルのスタッフに、一体うちらはどんな地区に降ろされたのか聞いてみた。
そしたら、かーなーり、やばい所だったらしい。
そうだよね。運転手さんがロックしろっていうくらいだもん。

なんでも、麻薬も横行している貧困層が住む地区で、一日に一人は亡くなるぐらいの頻度で事件(発砲事件も多いらしい)が起こる地域だったらしい。
最初の運転手、うちらを危ない目にあわせたかったのか、それとも自分が麻薬でハイになっていて適当だったのか(後から思えば、目が充血してぼーっとしていた)…。ひどい。
やれやれ。4人とも無事でよかった!これも運よく良い人たちに会えたお陰だね。
まぁ、こうやってわざわざ観光した都市で危ない地域に行くなんて経験も滅多に無いから、終わりよければ全てよし!良い経験が出来たと思おう。

そんな危ない地区もあるけど、超高層ビルが新宿並みに立ち並ぶところもある。
正に、貧富の差がはっきり見える都市だった、パナマシティー。
パナマシティー以外にチラッと見たColon(コロン)や、Portabelo(ポルタベロ)は、まだまだ発展途上国の様子だった。お金はパナマシティーだけに留まっているみたい。

今後、どんな方向に進んでいくのかな?数年後に来てみたら面白いかもしれない。



* おまけ:ホラーストーリー

船から下船して、コロンに向かい、コロンからパナマシティーに乗ったバスでの話。
外はもう日が沈み、辺りは真っ暗。 一緒に下船したほかの4人とクーラーのきくバスに乗車。
クーラーがきくバスは、乗り心地が良い。
下船してバスに乗り、結構疲れが出ていたので、暗いバスに乗った瞬間眠気がさしてきた。
ウトウトし始めると、窓際の手すりに置いていた手の上にサワっと変な感触が。
最初は気のせいかと思ってたんだけど、さすがに2回目同じ感触を感じたら、気持ち悪くなった。
ジョーにライトを貸してもらって見ると…。

南米では、噂とは違って全く遭遇しなかったのに、とうとうここパナマで遭遇!
そう、Cucaracha(クカラチャ=ゴキブリ)が乗るバス!暑いからなのか、バスがちゃんときれいにされていないからなのか。きっと両方だな。
私の手の上を歩いていたぞよ。体長約7cmの巨大なやつ!
うぎゃ~~~~~!!!!!!
(今書いてるだけでも鳥肌が!)
友達の舞ちゃんだったら失神していただろうと思われる。

ここで面白かったのが、他の4人。前後に座っていた一緒に下船した友達に「ゴキブリがいるから気をつけて!!!!」って気合を入れて注意したのに、反応がいまいち。
「え、ゴキブリ?あ、でもゴキブリって害無いでしょ?」と。
「あ、うん、ないけど。。。」
あれ?なんでうちらってゴキブリ嫌いなんだっけ?
これって社会的に嫌われてるから、なんとなくみんな大っ嫌いなだけな感じがしてきた。勿論、汚いとかれっきとした理由はあるんだけど、でも同じくらい汚いハエやネズミはそこまで嫌われていない気がする。
で、きいてみた。
「あれ、スウェーデンにゴキブリっているっけ?」
「No.」
「オランダには?」
「No.」
納得。周りに嫌いな人がいないから、そんな薄い反応だったのね~。
結局、残り2時間、びくびくしながらチビ懐中電灯片手に乗ってた私とジョーでありました。
(うちらは、いつもゴキブリは殺せないので捕まえて外に逃がすだけ)

ちゃんちゃん♪

2010年6月18日金曜日

Panama: Colombia-San Blas Archipelago-Panama Sailing: ぱらだいす...

[パナマ ~コロンビア→サン・ブラス群島→パナマ セーリング~ ]

初めて知ったのは、日本を出発してからわずか1週間、Chile(チリ)のSantiago(サンティアゴ)で出会ったロンドンの旅人からの情報。

「コロンビア~パナマ間国境越えは、ゲリラが蔓延っている陸路では、全く無理。
私達は、Panama(パナマ)からSan Blas Archipelago(サン・ブラス・アーキペラゴ)を通って、Colombia(コロンビア)の北、Cartagena(カルタヘナ)に行くセーリングボートで南米に来たけど、サン・ブラスは本当にパラダイスだったわ~。」

コロンビアが危険だと言う噂は聞いていたけど(コロンビア: カリ: Capital Mundial de la Salsa!
参照)、パナマへの国境越えはもっと心配の種だった。
だって、「危険だよ、行かないほうがいいよ」というレベルではなく、旅人も含め、誰に聞いても「あの国境越えは無理」って言うんだもん。
勿論、できないことはない。やった人も、数えるくらいしかないけど、いる。
でもねぇ。そこまでして、旅行者を誘拐して身代金を取るようなヤツラに掴まって家族に迷惑かけてもねぇ。
ということで、サンティアゴにいる時から、セーリングボートで国境越えすることを夢見ていた私達。
噂どおり、395USD/人で、飛行機に乗るより高かったけど、今回は奮発!
こういう国境越えは、多分長旅をしてる間しかできないもん。

さて、思ったより早くコロンビアを出発することになって悲しかったけど、2010年6月12日午前11時、我らがオーストリア人船長、Fritz(フリッツ)所有のセーリングボート、「Fritz-the-cat」に乗船。
これから5日間、うちらの「家」となるセーリングボート。

乗客は、オランダ人カップルのEvaとSteve、スウェーデン人のSagaとSofie、オーストラリア人(バイクで中南米を旅行中)のTony、ドイツ人カップルで同じくバイクで北中南米を旅行中のChristophとSilke、そして私達の9人。
クルーは、船長のFritz、船員兼コック兼全てのLuis、そしてFritzの彼女のトゥーレ。
計12名と、新鮮な野菜とフルーツを山ほど乗せ、Fritz-the-catの航海開始!





南米、さよーならー!!



航路は、
12日 カルタヘナ~外洋
13日 外洋航海。夜サン・ブラスに到着
14日 サン・ブラス
15日 サン・ブラス
16日 パナマ上陸。


5日間、うちらは本当に天気に恵まれた。
外洋にいる間は曇っていて、太陽がきつくなかったお陰で、甲板の巨大ハンモックで寝たり、みんなと話したり。夜は、風がなくて部屋は 蒸して、汗と潮風でべたべたし、暑くて寝苦しかったけどね...。
逆に、サン・ブラス に着いてからは、2日間ばっちり晴れ!夕方にはスコールで一気に温度が下がったし。
そして最後の移動日も、また雨のち曇りで涼しく航海。

これ以上無い、完璧の天気!


最初の2日間は、サン・ブラスを目指して、外洋を航海。
全く陸を見ずに、何日も船で航海したのは初めてだったから、最初余りある時間で何していいかわからなかったなぁ。船酔いが怖くて本は読めないし、勿論インターネットもテレビも無い。
できることと言えば、おしゃべりする、食べる、船の前方のトランポリンで寝る、海を眺める、食事の片づけを手伝う、以上。

曇りとは言え、やっぱりずっと潮風と太陽光線を受けていたためか、なんとなくずっとだる~くねむ~いから、あっという間に「何もしない」生活に慣れ、ゆる~い感じをエンジョイするようになっていったけど。
因みに、曇りで海が凪いでいて揺れが少なく、過ごしやすかったのは良かったんだけど、風が無いのはいまいちスピードが出ない。風が必要なセーリングボートには、あんまり向かない天気。
結局、5日間同じような感じでエンジンで移動することが多かったのは、ちょっと残念!
まぁ、お陰で船酔いがなかったので、そんな贅沢言っちゃだめだよね。
そんなこんなで、一日目が終了。



一日目は、夜中もずっとAuto Pilotで船を走らせるため、ナイトウォッチ(night watch)が必要。乗客とは言え、ナイトウォッチのシフトはばっちりと決められちゃいました~。
うちらは、朝日がみたいと言うジョー君の為、午前4~6時担当に。朝、一つ前のシフトだったサギャに起こされ、眠い目をこすりながら甲板へ。基本的に、Auto Pilotをコンピュータ管理しているので、モニターで行き先がずれないかチェックするのと、アラームが鳴ったら船長を起こすという仕事。部屋が暑くて眠れなかった私は、1時間もするとすっかりまた甲板ですやすやと眠りに落ちてしまった。ジョー君、残り責任持ってナイトウォッチしてくれてありがとー!

さて、二日目。
焼きたてのドイツパンをほおばりながら目を覚まし、どんより曇り空の下、ハンモックでまたウトウトしたり、他の人とおしゃべりしたり、一日目と同じような時間を過ごしていた。

そんな中、ちょっとしたイベントが。
カルタヘナで出会ったパナマからセーリングしてきた旅人達から聞いていた通り、イルカ達も遊びに来てくれた~♪
以前、スペインからモロッコに船で渡ったときにもイルカが見に来てくれたけど、その時は船が大きくてあんまり近くで見れなかった。でも今回は、イルカとの距離、1m弱!コーフンさ~!!

Joeと違って、船酔いを恐れて本が読めない私は、外洋航海中はずっと海を眺めてイルカを探していた。最初は、トビウオでも見てるだけで楽し かったんだけど、だんだん飽きちゃってさ。だって、2時間も見てたんだもん。
急にトニーが、午後4時ごろ、「イルカ!イルカがいるぞ!」っ て教えてくれたときには、わたくし、船の後方のダイニングエリアで、マンゴを食べながら、女の子達とおしゃべりしてました...。はは。

一気にカメラを持って、甲板に全員集合!
約20分間、40匹程のイルカの群れが、船の先頭を先を争って泳いだり、ジャンプしたり、一 度離れてまた戻ってきたり、スイスイすいすい、自由に泳いでいるのをうっとりと眺めた。(船をよける為に動く魚の群れを狙っていたんだと思われる。 )

私 の妹も、こういうの大好きだから、一緒にいたらな~と思った。いつかこうやって一緒にイルカを見れたらいいなあ。








この日は、途中ちょっと雨と大波に見舞われた(恵まれた?)お陰で、帆に充分の風があたって一時は15ノットで移動でき、無事日が沈んだ直後にサン・ブラスに到着。イカリを降ろして、晩御飯ターイム!

夜中2時まで、50歳近い人生の大先輩、トニーと人生について語り、眠りについた私達。
こうやって旅する人生の大先輩は、私達が共感できる人生を歩んでることが多い。
「旅が人生の中心」で、ちゃんとそれを長い間実践してきた人ばかり。トニーの話も例外でなく、これからの人生計画を立てるのに、すごく参考になった。



そして、3日目。
昨晩の到着時は真っ暗で、勿論サン・ブラスは見えず。どれくらい近いのか、次の日ちゃんと晴れて、明るいビーチライフをエンジョイできるのか...ちょっと心配 だった私。

でも、キャビン(うちらの部屋)の天窓から差し込む光で目覚めた私たちは、びっくりして目が点に!快晴で真っ青な空。柔らかい午前7時の光。そして、青い海、透き通る水、島に生い茂るココナツの木。
「うわぁぁぁぁ~~~~~!!!!」
まさに、パラダイス!

急いで水着に着替えて甲板に行くと、既にみんなFritzのシュノーケル用具コレクションを物色中。
次々にドボーンドボーンと水に飛び込む私達。
そして更にびっくり!水が、スーパー温かい!
島まで約50mの距離を、シュノーケルで美しいサンゴ礁郡の間をひらひらと泳ぐ魚やマンタやエイを見ながら泳ぎ、島で一息。クナ族の人の家をチラッと見て、船に戻り、朝食。
勿論、海で何を見たかという話題で持ちきり。
航海中は、船酔いしやすいからと出なかったコーヒーもやっと出て、またまた焼きたてのパン、ハム、チーズ、トマト、オニオン、はちみつなど盛りだくさんの朝食を、パラダイスに囲まれていただく...。いや~、本当に幸せ!!
早々に朝ごはんを済ませ、みんなまた海に戻った。船の先から飛び込む飛込みコンテストやったり、シュノーケルしたり、また別の島まで泳いでいったり...。みんな気ままに、照りつける太陽の下、サン・ブラスを満喫した。

昼は、また別のポイントに移動。
と、そこで船長が「晩御飯、ロブスター食べたい?」と。
勿論、アンサーは「Yes!」。
「じゃ、捕まえなきゃね」と、ちょっと沖の(推進10mほどだけど)珊瑚礁にアンカーを降ろし、全員シュノーケルをつける様指令。
全員海に飛び込み、晩飯=ロブスターハンティング開始!

サギャとジョーの二人がスーパーハンターで、二人で珊瑚礁に隠れるロブスター5匹、大きな蟹2杯を探し当て、船長に報告。そして、手馴れた船長が水中銃でしとめ、無事晩飯ゲット!
他のみんなは、早々に諦めてビール飲んでたけどね~。
私は、ジョーの後ろをフラフラ着いて周り、時々見た目より珊瑚が浅くて、本当は遠回りして珊瑚礁を避けて泳がなきゃいけなかったのに波に押されて珊瑚礁で推進30cmほどの所に押されて、「珊瑚に手をつかなきゃ体中珊瑚に引っかかれる!でも、うつぼいたらどうしよう!ウニいたらどうしよう?」ってパニックに陥ってたり、あんまりロブスターハンティングには貢献できなかった。がっかり。

夕方には、またもっと別の島に近いポイントにアンカーを降ろし、シュノーケルのあと、ロブスターのバターガーリック炒めと、蟹のボイルを堪能。う~~~ん、本当に天国!


ご飯の準備は、ルイスかトゥーレの担当かと思いきや、船を持つまでは、レストラン経営をしていたという強面のFritz船長が料理までこなしてくれ た。勿論、ルイスが野菜を切ったり下準備をするんだけど。

さすが元コック、船長の料理なかなかでした。
ロブスターや、パンの他、釣りたての新鮮なサメ、レンティル、パスタ、 カレーなど、バラエティ豊かな食事を作ってくれた。
でも、毎日切らすことなくルイスが作ってくれる、絞りたて新鮮レモネードもおいしかったなぁ。海では、ビタミンC補給がとっても大切!まさにパーフェクトなヘルシードリンクだった。


船長だけでなく、トゥーレとルイスもなかなか楽しい。
トゥーレはドイツ語だけ、ルイスはスペイン語だけしか話さないので、全てのお客さんと会話をすることはできず、あんまり他の客とは話してなかった二人。幸い会話程度ならできたのと、アジア人で目立った為か、二人とも気軽に私に話しかけてくれた。
特にルイス。食器を洗うのを手伝ったりしている内に、自分が食べてるマンゴをわけてくれたり、サーカスで働いていた時の写真を見せてくれたり、コロンビアの政治について話してくれたり、日本の事を色々きいてきたり。
みんながゆっくりしてる時でも、ほぼずっと動き回ってイカリを降ろしたり、船長が帆の方向を直すの手伝ったり、食事の準備をしたり、レモネードを作ってくれたり、とにかく一生懸命働いていた。でも話しかけるといつでも笑顔で答えてくれ、本当に楽しかった!


さて、全く話が変わるけど、船上の生活で、感覚が変わった話。変わったのは、水への感じ方。
普段は、飲み水、泳ぐ水、トイレの水、お風呂の水、食器を洗う水、食事を作るのに使う水、あんまり繋がっていないけど、船の上では二つしかない。
海水か、タンクにある1tの限られた量の真水。

誰かがトイレに行くと、そのまま海に流れる。食器を洗った後も同様。
ので、泳ぎたかったら、誰かがトイレに行った後、ちょっと待つのが懸命。(一緒に流されるトイレットペーパーがひらひらと水中に舞うのでしっかりビジュアル的に見えるんだよ~)
汚い話だけど、ほんとなのよ~。

そして、シャワーは、船長からの命令で、一人90秒のみしか使えない(勿論お湯なし)。
一気に頭から身体を濡らしてシャワーを止め、その後石鹸でシャカシャカ急いで洗い、その後また一気に流して終わり!髪、短くしといて良かった~!
にしても、意外と、水の量少なくしてシャワー浴びることってできるんだね。

食器を洗うのにも、一つのシンクに海水を満たして食器洗剤を入れて、12人分の食器を漬けて、真水を満たしたタライで流す。水の交換はなし。どんどん、食べ物で汚れていく二つの水。でも、それで洗ってもきれいになるし、別にその食器で食べてもお腹壊したりしないし。
いかに普段水を使いすぎてるか実感した船上生活だった。

最初の日は、ベタベタするベッド、ちょっと臭いトイレ、寝苦しい夜で、5日間も大丈夫かな~と思ったけど、そんな都会慣れした体も船の生活に慣れ、5日目に船を下船する時は本当に悲しかった。

こうして、私達の南米の旅は幕を降ろし、短い中米の旅の幕が開けた。
この船での国境越えは、今までの旅の中でも、一、二を争う想い出。
コロンビア~パナマの国境越えをする人には、是非飛行機ではなく、セーリングをお薦めしたい。


















素晴らしい船、素晴らしい船長、素晴らしい船員、素晴らしい友達に乾杯!ありがとーーー!!
この旅は一生忘れない!!!