2010年6月18日金曜日

Panama: Colombia-San Blas Archipelago-Panama Sailing: ぱらだいす...

[パナマ ~コロンビア→サン・ブラス群島→パナマ セーリング~ ]

初めて知ったのは、日本を出発してからわずか1週間、Chile(チリ)のSantiago(サンティアゴ)で出会ったロンドンの旅人からの情報。

「コロンビア~パナマ間国境越えは、ゲリラが蔓延っている陸路では、全く無理。
私達は、Panama(パナマ)からSan Blas Archipelago(サン・ブラス・アーキペラゴ)を通って、Colombia(コロンビア)の北、Cartagena(カルタヘナ)に行くセーリングボートで南米に来たけど、サン・ブラスは本当にパラダイスだったわ~。」

コロンビアが危険だと言う噂は聞いていたけど(コロンビア: カリ: Capital Mundial de la Salsa!
参照)、パナマへの国境越えはもっと心配の種だった。
だって、「危険だよ、行かないほうがいいよ」というレベルではなく、旅人も含め、誰に聞いても「あの国境越えは無理」って言うんだもん。
勿論、できないことはない。やった人も、数えるくらいしかないけど、いる。
でもねぇ。そこまでして、旅行者を誘拐して身代金を取るようなヤツラに掴まって家族に迷惑かけてもねぇ。
ということで、サンティアゴにいる時から、セーリングボートで国境越えすることを夢見ていた私達。
噂どおり、395USD/人で、飛行機に乗るより高かったけど、今回は奮発!
こういう国境越えは、多分長旅をしてる間しかできないもん。

さて、思ったより早くコロンビアを出発することになって悲しかったけど、2010年6月12日午前11時、我らがオーストリア人船長、Fritz(フリッツ)所有のセーリングボート、「Fritz-the-cat」に乗船。
これから5日間、うちらの「家」となるセーリングボート。

乗客は、オランダ人カップルのEvaとSteve、スウェーデン人のSagaとSofie、オーストラリア人(バイクで中南米を旅行中)のTony、ドイツ人カップルで同じくバイクで北中南米を旅行中のChristophとSilke、そして私達の9人。
クルーは、船長のFritz、船員兼コック兼全てのLuis、そしてFritzの彼女のトゥーレ。
計12名と、新鮮な野菜とフルーツを山ほど乗せ、Fritz-the-catの航海開始!





南米、さよーならー!!



航路は、
12日 カルタヘナ~外洋
13日 外洋航海。夜サン・ブラスに到着
14日 サン・ブラス
15日 サン・ブラス
16日 パナマ上陸。


5日間、うちらは本当に天気に恵まれた。
外洋にいる間は曇っていて、太陽がきつくなかったお陰で、甲板の巨大ハンモックで寝たり、みんなと話したり。夜は、風がなくて部屋は 蒸して、汗と潮風でべたべたし、暑くて寝苦しかったけどね...。
逆に、サン・ブラス に着いてからは、2日間ばっちり晴れ!夕方にはスコールで一気に温度が下がったし。
そして最後の移動日も、また雨のち曇りで涼しく航海。

これ以上無い、完璧の天気!


最初の2日間は、サン・ブラスを目指して、外洋を航海。
全く陸を見ずに、何日も船で航海したのは初めてだったから、最初余りある時間で何していいかわからなかったなぁ。船酔いが怖くて本は読めないし、勿論インターネットもテレビも無い。
できることと言えば、おしゃべりする、食べる、船の前方のトランポリンで寝る、海を眺める、食事の片づけを手伝う、以上。

曇りとは言え、やっぱりずっと潮風と太陽光線を受けていたためか、なんとなくずっとだる~くねむ~いから、あっという間に「何もしない」生活に慣れ、ゆる~い感じをエンジョイするようになっていったけど。
因みに、曇りで海が凪いでいて揺れが少なく、過ごしやすかったのは良かったんだけど、風が無いのはいまいちスピードが出ない。風が必要なセーリングボートには、あんまり向かない天気。
結局、5日間同じような感じでエンジンで移動することが多かったのは、ちょっと残念!
まぁ、お陰で船酔いがなかったので、そんな贅沢言っちゃだめだよね。
そんなこんなで、一日目が終了。



一日目は、夜中もずっとAuto Pilotで船を走らせるため、ナイトウォッチ(night watch)が必要。乗客とは言え、ナイトウォッチのシフトはばっちりと決められちゃいました~。
うちらは、朝日がみたいと言うジョー君の為、午前4~6時担当に。朝、一つ前のシフトだったサギャに起こされ、眠い目をこすりながら甲板へ。基本的に、Auto Pilotをコンピュータ管理しているので、モニターで行き先がずれないかチェックするのと、アラームが鳴ったら船長を起こすという仕事。部屋が暑くて眠れなかった私は、1時間もするとすっかりまた甲板ですやすやと眠りに落ちてしまった。ジョー君、残り責任持ってナイトウォッチしてくれてありがとー!

さて、二日目。
焼きたてのドイツパンをほおばりながら目を覚まし、どんより曇り空の下、ハンモックでまたウトウトしたり、他の人とおしゃべりしたり、一日目と同じような時間を過ごしていた。

そんな中、ちょっとしたイベントが。
カルタヘナで出会ったパナマからセーリングしてきた旅人達から聞いていた通り、イルカ達も遊びに来てくれた~♪
以前、スペインからモロッコに船で渡ったときにもイルカが見に来てくれたけど、その時は船が大きくてあんまり近くで見れなかった。でも今回は、イルカとの距離、1m弱!コーフンさ~!!

Joeと違って、船酔いを恐れて本が読めない私は、外洋航海中はずっと海を眺めてイルカを探していた。最初は、トビウオでも見てるだけで楽し かったんだけど、だんだん飽きちゃってさ。だって、2時間も見てたんだもん。
急にトニーが、午後4時ごろ、「イルカ!イルカがいるぞ!」っ て教えてくれたときには、わたくし、船の後方のダイニングエリアで、マンゴを食べながら、女の子達とおしゃべりしてました...。はは。

一気にカメラを持って、甲板に全員集合!
約20分間、40匹程のイルカの群れが、船の先頭を先を争って泳いだり、ジャンプしたり、一 度離れてまた戻ってきたり、スイスイすいすい、自由に泳いでいるのをうっとりと眺めた。(船をよける為に動く魚の群れを狙っていたんだと思われる。 )

私 の妹も、こういうの大好きだから、一緒にいたらな~と思った。いつかこうやって一緒にイルカを見れたらいいなあ。








この日は、途中ちょっと雨と大波に見舞われた(恵まれた?)お陰で、帆に充分の風があたって一時は15ノットで移動でき、無事日が沈んだ直後にサン・ブラスに到着。イカリを降ろして、晩御飯ターイム!

夜中2時まで、50歳近い人生の大先輩、トニーと人生について語り、眠りについた私達。
こうやって旅する人生の大先輩は、私達が共感できる人生を歩んでることが多い。
「旅が人生の中心」で、ちゃんとそれを長い間実践してきた人ばかり。トニーの話も例外でなく、これからの人生計画を立てるのに、すごく参考になった。



そして、3日目。
昨晩の到着時は真っ暗で、勿論サン・ブラスは見えず。どれくらい近いのか、次の日ちゃんと晴れて、明るいビーチライフをエンジョイできるのか...ちょっと心配 だった私。

でも、キャビン(うちらの部屋)の天窓から差し込む光で目覚めた私たちは、びっくりして目が点に!快晴で真っ青な空。柔らかい午前7時の光。そして、青い海、透き通る水、島に生い茂るココナツの木。
「うわぁぁぁぁ~~~~~!!!!」
まさに、パラダイス!

急いで水着に着替えて甲板に行くと、既にみんなFritzのシュノーケル用具コレクションを物色中。
次々にドボーンドボーンと水に飛び込む私達。
そして更にびっくり!水が、スーパー温かい!
島まで約50mの距離を、シュノーケルで美しいサンゴ礁郡の間をひらひらと泳ぐ魚やマンタやエイを見ながら泳ぎ、島で一息。クナ族の人の家をチラッと見て、船に戻り、朝食。
勿論、海で何を見たかという話題で持ちきり。
航海中は、船酔いしやすいからと出なかったコーヒーもやっと出て、またまた焼きたてのパン、ハム、チーズ、トマト、オニオン、はちみつなど盛りだくさんの朝食を、パラダイスに囲まれていただく...。いや~、本当に幸せ!!
早々に朝ごはんを済ませ、みんなまた海に戻った。船の先から飛び込む飛込みコンテストやったり、シュノーケルしたり、また別の島まで泳いでいったり...。みんな気ままに、照りつける太陽の下、サン・ブラスを満喫した。

昼は、また別のポイントに移動。
と、そこで船長が「晩御飯、ロブスター食べたい?」と。
勿論、アンサーは「Yes!」。
「じゃ、捕まえなきゃね」と、ちょっと沖の(推進10mほどだけど)珊瑚礁にアンカーを降ろし、全員シュノーケルをつける様指令。
全員海に飛び込み、晩飯=ロブスターハンティング開始!

サギャとジョーの二人がスーパーハンターで、二人で珊瑚礁に隠れるロブスター5匹、大きな蟹2杯を探し当て、船長に報告。そして、手馴れた船長が水中銃でしとめ、無事晩飯ゲット!
他のみんなは、早々に諦めてビール飲んでたけどね~。
私は、ジョーの後ろをフラフラ着いて周り、時々見た目より珊瑚が浅くて、本当は遠回りして珊瑚礁を避けて泳がなきゃいけなかったのに波に押されて珊瑚礁で推進30cmほどの所に押されて、「珊瑚に手をつかなきゃ体中珊瑚に引っかかれる!でも、うつぼいたらどうしよう!ウニいたらどうしよう?」ってパニックに陥ってたり、あんまりロブスターハンティングには貢献できなかった。がっかり。

夕方には、またもっと別の島に近いポイントにアンカーを降ろし、シュノーケルのあと、ロブスターのバターガーリック炒めと、蟹のボイルを堪能。う~~~ん、本当に天国!


ご飯の準備は、ルイスかトゥーレの担当かと思いきや、船を持つまでは、レストラン経営をしていたという強面のFritz船長が料理までこなしてくれ た。勿論、ルイスが野菜を切ったり下準備をするんだけど。

さすが元コック、船長の料理なかなかでした。
ロブスターや、パンの他、釣りたての新鮮なサメ、レンティル、パスタ、 カレーなど、バラエティ豊かな食事を作ってくれた。
でも、毎日切らすことなくルイスが作ってくれる、絞りたて新鮮レモネードもおいしかったなぁ。海では、ビタミンC補給がとっても大切!まさにパーフェクトなヘルシードリンクだった。


船長だけでなく、トゥーレとルイスもなかなか楽しい。
トゥーレはドイツ語だけ、ルイスはスペイン語だけしか話さないので、全てのお客さんと会話をすることはできず、あんまり他の客とは話してなかった二人。幸い会話程度ならできたのと、アジア人で目立った為か、二人とも気軽に私に話しかけてくれた。
特にルイス。食器を洗うのを手伝ったりしている内に、自分が食べてるマンゴをわけてくれたり、サーカスで働いていた時の写真を見せてくれたり、コロンビアの政治について話してくれたり、日本の事を色々きいてきたり。
みんながゆっくりしてる時でも、ほぼずっと動き回ってイカリを降ろしたり、船長が帆の方向を直すの手伝ったり、食事の準備をしたり、レモネードを作ってくれたり、とにかく一生懸命働いていた。でも話しかけるといつでも笑顔で答えてくれ、本当に楽しかった!


さて、全く話が変わるけど、船上の生活で、感覚が変わった話。変わったのは、水への感じ方。
普段は、飲み水、泳ぐ水、トイレの水、お風呂の水、食器を洗う水、食事を作るのに使う水、あんまり繋がっていないけど、船の上では二つしかない。
海水か、タンクにある1tの限られた量の真水。

誰かがトイレに行くと、そのまま海に流れる。食器を洗った後も同様。
ので、泳ぎたかったら、誰かがトイレに行った後、ちょっと待つのが懸命。(一緒に流されるトイレットペーパーがひらひらと水中に舞うのでしっかりビジュアル的に見えるんだよ~)
汚い話だけど、ほんとなのよ~。

そして、シャワーは、船長からの命令で、一人90秒のみしか使えない(勿論お湯なし)。
一気に頭から身体を濡らしてシャワーを止め、その後石鹸でシャカシャカ急いで洗い、その後また一気に流して終わり!髪、短くしといて良かった~!
にしても、意外と、水の量少なくしてシャワー浴びることってできるんだね。

食器を洗うのにも、一つのシンクに海水を満たして食器洗剤を入れて、12人分の食器を漬けて、真水を満たしたタライで流す。水の交換はなし。どんどん、食べ物で汚れていく二つの水。でも、それで洗ってもきれいになるし、別にその食器で食べてもお腹壊したりしないし。
いかに普段水を使いすぎてるか実感した船上生活だった。

最初の日は、ベタベタするベッド、ちょっと臭いトイレ、寝苦しい夜で、5日間も大丈夫かな~と思ったけど、そんな都会慣れした体も船の生活に慣れ、5日目に船を下船する時は本当に悲しかった。

こうして、私達の南米の旅は幕を降ろし、短い中米の旅の幕が開けた。
この船での国境越えは、今までの旅の中でも、一、二を争う想い出。
コロンビア~パナマの国境越えをする人には、是非飛行機ではなく、セーリングをお薦めしたい。


















素晴らしい船、素晴らしい船長、素晴らしい船員、素晴らしい友達に乾杯!ありがとーーー!!
この旅は一生忘れない!!!

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