[イギリス ~コッツウォルズ~]
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Cotswolds(Upper Slaughter)の町並み |
London(ロンドン)から列車で南に1時間半、大雪の中向かったのは、東京の友達夫妻、Jason(ジェーソン)とアキコのご両親、Tom(トム)とBetty(ベティー)のおうち。
数年前のジェーソン達の結婚式で、私たちが通訳としてお手伝いさせて貰ったときにお会いして以来の再会。その時何回かしかお会いしていなかったけど、いつでもおいでとおっしゃってくれていた。
クリスマスという日本の正月と同じくらい大イベントなのに、ちょっと移動続きでお疲れ気味だった私たちは、インドビザ待ちの関係もあり、ご好意に甘えさせて貰うことにした。
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キッチンから見えるつららがきれい |
Cotswolds(コッツウォルズ)は、歴史ある石造りの素敵な家が残る地方で、絵本に出て来るような村がたくさんある。
トムとベティーの家も例外ではなく、築200年の石造りの家。それに加え、インテリアデザイナーのベティーのセンスも随所に光っていて、本当に素敵。
二人がアンティーク好きということもあり、シンプルながらも歴史を感じる物たちがこの古い家を飾っていて…。私もアンティーク大好きなので(アンティークの英製カトラリーのホルマークと言われる刻印の見方も教えてもらっちゃった)、ひとつひとつのストーリーを聞きながら、夢心地。
20年近くもかけて自分たちで改築し、こんなに素晴らしい家にしたとか。夢だわぁ。私もいつか日本の古民家を買って自分たちで改築したいなあ。
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至る所にアンティークが |
この地方は歴史が古く、物件もいい値段がする為、イギリスのちょっぴりお高くとまってる人たちが多いんだけど(勿論優しく気さくな人も多い)、アメリカ人にしてこの地方に住む二人はとっても気さくで、本当に居心地が良かった。でも、居心地良すぎて、なんと当初5日程度の予定が、2週間もお世話になってしまった。
私たちが使わせて頂いた部屋はホテルみたい!寝心地のいいしっかりしたマットレスにふかふかの羽根布団、そしてでっかいふわふわのタオルとバスローブ。アンティークのテーブルや本に囲まれ、気分は隠れ家的五つ星ホテルに泊まるセレブ♪
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かわいくて実用的なベティの台所 |
日が4時半に暮れるので、日を浴びる時間は短かったけど、散歩に行ったり、でっかい雪だるまを作ったりして外をエンジョイする一方、毎日一番時間をすごしたのが、キッチン。ベティーデザインのまさに私の理想のキッチン(大きいカウンター、大きいオーブン、雪に埋もれた裏庭を見渡す素敵なデコレーション!)で、ベティがケーキやクッキーを休み無く焼いたり、おいしい手料理を作るのを見ながら、焼きたてのお菓子を味見し、キッチンでおしゃべりするのが本当に楽しかった。夜は、今度は暖炉の火で温まりながら、テレビを観たりトムとまたまた夜更けまで話し込んだり。「実家に帰ってきた」という感じがする、位とってもリラックスさせてもらった。
そしてこの時期は、クリスマスということもあり、クリスマスイベントが盛りだくさん!
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クラッカーをならしてディナー開始! |
キャロリング(クリスマスソングを歌って家から家へと回る)のは、残念ながら大雪の関係でキャンセルになっちゃったけど、これまた素敵なご近所さんのおうちに村中の人が集まり、ワインとフィンガーフードに舌鼓を打ちながら、歌って、おしゃべりに花を咲かせ…。久しぶりにちょっとしたリッチライフがエンジョイできた。
クリスマス当日は、もともとトムとベティーが前からお呼ばれしていた3人のかわいいお子ちゃまがいるドッドリッジ家に。私達も、急にクリスマスもコッツウォルズに滞在する事を決めたにも関わらず、快くご招待頂いたので、初めてのイギリスの伝統的クリスマスに参加できることになった。
アメリカもそうだけど、イギリスもクリスマスディナー(「ディナー」という名前だけど、ここではご馳走という意味)も、ちょっと遅めのランチの時間に家族が集まってご馳走を食べる。
この日もお昼過ぎに4人でベティーのホームメイドのケーキやクッキー、クランベリーソースなどを両手いっぱいに持って、雪の上を滑らないように気をつけながら300mほど歩いてドッドリッジ家に到着。既に親戚が15人ほど集まっていて、子供たちも大はしゃぎ。みんなとっても優しくて明るくて、全く会った事がない家族に囲まれながらもすぐに打ち解けることができた。私はおじいちゃんおばあちゃんウケが良いので、お年寄りに囲まれて楽しい時間をすごし、Joeは子供ウケがいいので子供たちとゲームしたりこそこそ話して大人気!
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伝統的なクリスマスディナー |
イギリスの伝統クリスマスディナーは、アメリカの感謝祭と似ていて、七面鳥、クランベリーソース、野菜類にケーキとパイ…。とっても温かい、冬にぴったりの料理のオンパレード。
でも、いくつか初めて試したイギリス特有のクリスマスメニューも。
まずは、ブレッドソース。所謂パンのソースなんだけど、たまねぎと塩コショウで味付けしたパンをミルクで煮た、シンプルな七面鳥用のもったりしたソース。おいしいけど、私にはちょっと味が薄いかな?
そして、もう一つはクリスマス・プディング。イギリスでは「プディング」というとデザートの事を指す位(私たちがご飯というと米じゃなく食事を指すのと一緒?)、とにかくプリン系(日本のプリンとは違うけど)デザートが多い。クリスマス・プディングは、もったりしたフルーツパウンドケーキのようなもので、それにブランデー・バターというこれまた伝統的なソースをかけて食べる。とにかくお腹に重~い。けど、ドライフルーツとブランデー、そしてバターの香りがうまくミックスされて大人の味。これは、私は好き!重くて五口くらいしか食べられないけど。
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子供たちもウキウキの日 |
クリスマスの次の日もお呼ばれ。
こちらは、別の近くの村に住むご一家。私達もまたまたお邪魔させていただけることになり、うきうき。
こちらも子供が3人。招待してくれたのは、この3人兄弟を話すのがかわいそうと3人みんな一緒に養子にしたご夫婦で、とってもスイート。多分ターキー料理が続くのを考慮してか、こちらではサーモンがメイン。これもまた美味!小さなパーティーだったけど、アットホームで落ち着けるパーティーでこちらでも楽しい時間を過ごさせてもらった。
そして、またまた次の日。
イギリスでは、クリスマスの次の日は、ボクシング・デー。別にボクシングをするというわけでなく、歴史的にクリスマスギフトの箱(box)に関する理由がある日。いろいろな説があるけど、その内ひとつは貧しい人たちの為に寄付を募った箱を開ける日であったとか。他にも、クリスマスも働かなきゃいけなかった使用人が26日に実家に帰る時にボーナスやプレゼントとして箱を持たせたからとも。
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our rosemary turkey! |
Joeと私は、毎年11月末に友達を呼んで本格的な感謝祭料理に腕を振るうんだけど、その時の料理をジェーソンと明子がべた褒めしてくれ、その噂をトムとベティーがきいたらしく、それならお世話になるお返しに私たちがご馳走を作ろうと、このボクシングデーのディナーを任せてもらうことにした。
一晩前から七面鳥を仕込み、クランベリー・スタッフィング(パン、セロリ、玉ねぎなどを炒め、七面鳥に詰め、焼いているときに出る肉汁を吸わせてジューシーなおかずにする)、コーンブレッドを担当。野菜はベティーとトムが作ってくれた。
今年はこのメニューは作らないと思ってたんだけど、思わぬところで毎年のこの伝統を続けることができてよかった。私たちの毎年使ってきたこれらのレシピは伝統的というよりは、ちょっとモダンなんだけど、全てが大ヒットで、お呼びしたご近所さんも含めみんな喜んでくれて嬉しかった。みんなの笑顔が何よりもの報酬だね。
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Merry Christmas! |
こうして、毎日毎日かなりの量を食べ続け、すっかりぶくぶくになっちゃった。
でも、他にもイベントがいくつか。
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あべちゃん一家と再会 |
まず、あべちゃんとの再会。あべちゃんはジャカルタ日本人学校時代からの親友で、今は、なんと偶然にも別の村だけど、コッツウォルズにご主人とお子ちゃまと住んでいる。足の無い不便な私たちの所まで、雪の中わざわざお子ちゃま二人連れてご主人と会いに来てくれた。
二人の子供たちとは私も初対面だったので、会えて良かった。やっぱり何年も離れてると話が尽きない!時間はあっという間に流れ、日暮れの時間が早いのもあり、あっという間に再会がお別れに。今度はもっと時間があるときに会いたいな。でも、会えただけでも幸せ!
そして、もうひとつのイベント。
あまりにも雪が多かったので、巨大雪だるまを作ることにした。そしてついでにストップ・モーションビデオも。計5時間ほど、ほぼノンストップで雪の中を駆け回り、2mほどの雪だるまが完成!アメリカは雪だるまは3段、日本は2段。日本バージョンのほうがかわいいんだけどなー。
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傑作 |
3段のほうがサイズが大きいので3段にした。久々に本気で雪だるま作って、いい汗をかき、ちょっとクリスマスディナーのカロリーを消費し、達成感に満たされ、素晴らしい一日がすごせた。…と思いきや、これが仇となり、次の日二人そろって高熱が。インフルエンザだろうなあ。
それから4、5日寝たきりになり、トムとベティーには迷惑かけてしまった…。もう若くないわね、私たち。
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インフルエンザ中 |
そんなこんなで、あっという間に年も明け(まだ少し熱があったので、年越しはテレビを観てたんだけど一足先に年越しを迎えた日本のNHKが何故か日本語&吹き替えで放映されていて、毎年観てるゆく年くる年が観れてちょっとホームシックになった)、とうとうコッツウォルズを去る日が。
本当に楽しかった。おいしかった。リラックスできた。もっと居たかった!
後ろを振り返り、振り返り、列車に乗ってロンドンに戻った。
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hallmark勉強中 |
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Cotswoldsの夕暮れ |
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ベティのクッキーは最高 |
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Joe's hair salon |
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にらめっこ |
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村はずれの景色 |
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焼けてるかな? |
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Happy Betty! |
こうして、第3弾陸路移動が幕を閉じ、次の短い第4弾陸路移動が幕を開ける…。
いよいよ一路、真夏のケープタウンへ!!!
● 写真:
コッツウォルズ
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