2010年11月11日木曜日

Croatia: Glina: 旅人としての成長

[クロアチア ~グリーナ~]

新米バックパッカーだった私たちも、旅に出て早9ヶ月。
旅人として成長してきた(つもりの)9ヶ月!


ドキドキの初ヒッチハイク
まず南米で、18kgのバックパック担いでの移動が苦痛じゃなくなくなり、ビーチサンダルを履きながらシャワーを浴びる事に慣れ、外食を減らして地元の市場で買い物をしてホステルのキッチンを使って料理をする事を覚え、25~30時間のバス移動を繰り返す内に15時間のバス移動が「短い」移動だと感じるようになり、ホステルの高い洗濯代を払わないで済むようにジップロックを使って洗濯し始め、ホステルのキッチンが使えなくてする外食もストリートフードで食事を済ませるようになり、ミネラルウォーターから水道水に切り替え、夫に髪を切ってもらうようになり、でっかいきれいな遠距離バスでの移動だけでなくて全く言葉の通じない市バスで近郊の町まで日帰り旅行するようになった。ふぅ~。
今考えると、本当に最初は旅慣れしてなかったんだなぁとなんだか昔の自分たちがかわいく思える。ふふふ。


初ヒッチハイクを成功に導いてくれた親切なおじさん
中東・東欧に入ってからは、一週間以上インターネットが通じない田舎に行っても不安じゃなくなり、Wwoof(有機農家ボランティア)で思いっきり体力労働をした報酬においしいオーガニック料理と寝床を提供して貰う貴重な体験をし、そしてカウチサーフィンで宿代がゼロになる&その国の文化と人に出会う体験をし始めてから今ではなくてはならない日常生活の一部になって…。

こう書いてみると、如何に上手く節約するかがバックパッカー/旅人として成長するかに繋がってるように見えるかも。これは、お金を使うと便利を買えるからで、便利を買うとどうしても「自分の価値観でいう便利」に繋がり、それは必ずしもその土地のそのままの状態を体験することに繋がらない=その土地の文化や風習を体験できないからじゃないかな。
勿論、お金を使った旅行が悪い、というわけじゃない。やっぱり世界にはお金を使わないと絶対にできない貴重な事もいっぱいあるし(南極に行くとか、ガラパゴスに行くとか、モザンビークでサーディンランを見るとか。…いつかやってみたいなぁ)。
ただ、長旅をしようとするとどうしても少ない予算になるから(リッチなら別だけどさ…)、それならそれでいかに少ない予算と余りある時間で楽しく旅をするかという工夫をするようになってくるということ。


続きのヒッチハイク中
まあ、そんなこんなでやっとここまで成長してきた(?)私達。
ここまでこれたのも、今まで出会った先輩旅人のお陰。色々新しいことを教えてもらったり、先輩たちの失敗談を聞く度に、「うちらでもできるかも」という勇気を貰い、背中を押してもらってきた。

一番最近の大きなハードルは、主な宿泊手段をカウチサーフィンに切り替えたことだった。でも、宿代が無料になって地元の人と交流する楽しさを知って「また成長したな~」なんて満足していた一方で、実はもう次のハードルは見えていた。

そう、もうずっと前から挑戦したいと思っていたのにいまいち勇気がでなくて実践できていなかった、ヒッチハイキング。宿の次は、地元の人に出会いながら、移動代を浮かそうってわけ。

南米にいる時からたくさんの先輩旅人達から話を聞かされていた、あのヒッチハイキング。
「カップル・夫婦だったら乗せてくれる可能性が高い」とか、「東欧はヒッチハイクは地元の人も結構やるし、危険じゃないよ」とか、「ヒッチハイクだけで数年旅してきたけど、問題は全くなかったよ」とか、「これはもうやるっきゃない」と思わせるような数々の先輩旅人たちの話。韓国人の若い女の子で2年間、アフリカ・南米も含めて世界一周をヒッチハイキングだけで周っているという伝説の旅人の話も聞いたし。


今まで勇気を出してトライできなかったのは、安全面の心配と、事前に準備したり時間的に計画を立てる事ができないという事(できるサイトもあるけど、みんな移動してるから事前に計画するのが面倒くさいし、第一それじゃあそもそものヒッチハイキングの楽しさの醍醐味が経験できないしね)。 
10分待ちで乗せてくれる人が見つかる場合もあるし、5時間待っても無理な日もあるらしい。カウチサーフィンの連絡やホステルの予約を先に手配してあると、ヒッチハイキングの予定の立たなさがちょっと面倒くさい結果になりそうだったから、つい気が引けて…。
因みに、予定が立たない分、その先に動かせない予定(航空券を買ってあるとか)があると、ヒッチハイキングは難しい。逆に、時間があると、意外と節約ができるもんだというのも、この旅で学んだけど。時は金なり、ってほんとだね。



交通量の少ないところは歩いて移動
さてさて、ボスニアに入ってから運が悪く、なかなかカウチサーフィンのホストが見つからずホステル生活を再開していた私達。
Zadar(ザダール)でもホステルだったんだけど、オフシーズンの為、泊まっているのはなんと、うちら二人と、Zadarのブログでも紹介した、世界一周を始めたばかりのお母さん+学生の娘2人のイギリス人家族(お母さんが去年癌を患って治った時に、人生でしておきたい事を見直し、娘二人との世界一周バックパッキングを思い立ったんだとか。素敵!)だけ。

3人ともとっても地に足が着いてて話が面白くて、一緒だった二晩とも、夜中遅くまで話し込んじゃった。その時、丁度「うちらの次のハードルは、ヒッチハイキングだよ~。でも、まだカウチサーフィンを本格的に初めて1ヶ月だから、もうちょっとそっちに慣れて、それからかな。まだまだヒッチハイクする勇気が出ないなあ」なんて話してたら、女の子は若いのに二人とも別々の所でヒッチハイクを経験していて、指の立て方から、どれくらい待つか、どこで待つか、いつも笑顔でいなきゃだめとか、どうしても乗せて貰える人が見つからなかったらダンスでも創作して「こいつら面白い」と思わせたらいいとか、色々実演も混ぜて教えてくれた。
勿論、この時は前述のように、まだまだ先だと思ってたのさ。


ところが!
プリトヴィツェ湖群国立公園の観光も終わり、ようやくクロアチアで初めてカウチサーフィンのホストが見つかった超田舎の(観光客が行かないような所に行きたくて探してたら、ちょうど土地を買ったばかりでこれからオーガニックファームを始めるという南アフリカ出身の夫婦がいたから)Glina(グリーナ)という町へ移動しようと言う時に、思いがけず「その時」が来てしまったのだあああぁ~~~~!!


2回目ヒッチハイクで乗せてくれた夫婦。コーヒーまでご馳走になっちゃった
プリトヴィツェ近くの町のゲストハウスのオーナーが降ろしてくれたSlunj(スルンジ)というバス停で、一日一本しかないグリーナを通るバスを待っていた時のこと。
クロアチアのバスは、いつもほぼ時間通りということ、そして大きいバス停に停まらなくても途中の小さな村で途中乗車・下車はバスの運転手さんに言えば簡単にできる事は知っていた。けど、この小さな村のスルンジは、バスは通るしそこにバス停もあるけど、この長距離バスは普段は停まらないため、乗りたければちゃんと停めなきゃいけない…って言うことを知らなかったの~!

交通の少ないメインストリートで、10時35分到着(通過か…)予定のバスが10時33分にブーーーンと通り過ぎたのに気づいたのは束の間。バスの前にある小さな行き先を書いてある紙を一生懸命見ている間に、あっという間に通り過ぎてしまった…。そもそも、交通が少ないこの町に、長距離用の大きなバスが予定時刻にかなり近いタイミングで通ったんだから、まずは停まって貰って聞けばよかったんだよ…と後悔してみても後の祭り。
「実はさっきのは違うバスで、うちらの乗る予定のバスはちょっと遅れてるのかも」というかすかな希望を抱いて30分ほど待ってみたけど、無駄だった。ううっ。(涙

どうする?って顔を見合わせても、戻るに戻れないので答えはひとつ。前に何とかして進むべし。こうして、計らずしもヒッチハイキングを余儀なくされてしまった私達。
仕方ないので、バックパックを担いでホステルで出会った子達に教えて貰ったとおり、まず村外れの、グリーナへ通じる道への分岐点へ移動。そして、初めて映画で観るようにヒッチハイクのあの親指を立てるのをやってみた。もちろん、満面の笑顔でね。でもちょっぴり恥ずかしくて、かなり及び腰で。唯一救われたのは、快晴だったこと!これが雨だったら大変だよなぁ…。


無事、2回のヒッチハイクでGlinaに到着!
交通量が少ない上に、観光客なんて全くいない町では、10分立っても誰もピックアップしてくれず。
笑顔でしっかり運転してる人の顔を見てると、毎回目が合うんだけど、その度に無視されるのではなく、90%の確立でみんなジェスチャーで「行き先はこの村内だから遠くいかないよ」とか、「満員で乗せられない」とか、結構フレンドリーに断ってくれて、なんだか嬉しかった。一人のお茶目なお兄さんは、確実に満員でうちら+でかいバックパックを乗せられる余裕がなかったので「満員だよ、ごめんね」とわかりやすいジェスチャーで教えてくれ、更に「がんばってね」と投げキッスまでくれたよ。なんか、こうなると楽しいよね。意外と見てみぬふりするのは、若者や高級車乗ってる人が多いという事も学んだ。


こうしている間も、もう他に手段がないとわかってるので、段々「タラタラやってらんないじゃん」という焦りが募り、恥なんかどーでも良くなってきた!堂々と歩道から道路に乗り出し、ばっちり笑顔で「乗せてくれよ~!」オーラを出しながら待つこと更に15分。
古いVolkswagenがゆっくりと停まってくれた!サラエボからオーストリアまで3日かけて年金を受け取りに行くというおじいさん。英語が通じないので最初「ヤバいかな~」と思ったけど、ドイツ語が通じる!クロアチアでは、若い人は英語ができて、年配の方は第二次世界大戦の名残でドイツ語ができることが多い。
「どこ行くの?」と言われたので、グリーナまで行くといったら途中まで乗っけてってくれると。やったぁ!!かなりの達成感!

その後20分間、年金のこと、自分の娘がグリーナの先の村に嫁いだのでよくグリーナを通ることなどを話してくれ、Joeはドイツ語がわからないなりに笑顔で対応し、話が弾んだ。そして、オーストリア方面とグリーナ方面の分岐点にくると、笑顔で「あっちに40km行くとグリーナだよ」と送り出してくれた親切なおじいさん。ありがとう~!
全く何もない分岐点から、更に交通量の少ないグリーナへの道を、取敢えず2km先にあるという小さな町まで歩いてみようとてくてくと歩き出した。5分に車が通るか通らないかの頻度なんだけど、毎回笑顔で親指を立ててると、6台目のVolkswagenの古いワゴン車が通り過ぎ、「だめか~」と思ってると500m先で思い直したのか、停まってくれた。
今回は、50代の夫婦。グリーナの先の町まで帰る途中だから、乗せてってくれるって!奥さんのほうが英語がぺらぺらだったので、仕事の話とか、子供の話とか、週末ちょっとビーチに行ってきたとかまた話が盛り上がった。お茶目なおじさんの方は、なかなか言葉は通じなかったけど、途中小さなカフェに止まってコーヒーをご馳走してくれ、4人で英語とクロアチア語とジェスチャーを交えて話せて面白かった!ありがとう~!


初ヒッチハイク成功を祝ってビールで乾杯!
バスに乗ってればグリーナに12時10分に着く予定だったのを、最終的に2台のヒッチハイクを経てグリーナに到着したのは13時半。1時間半の遅れ。もっともっと遅れるかと思ったのに、意外と早く着いてびっくり。そして、移動費ゼロ、コーヒーをご馳走になり、何よりも地元の人との交流ができたという一石三鳥の体験だった。 人生初めてのヒッチハイク(100km)、大成功!!グリーナに無事到着したときは、Joeと二人で飛び上がって喜んじゃったよ。

これから先、どんだけヒッチハイクするかわからないけど、取敢えず「初めて」という大きいハードルを越えたので、次は気分的にもっと楽になるはず。
それにしても、ハードルを越える度に、今までの経験が上手いように糧となって、次のハードルを越えていってるんだなあと実感する。

ちょうどヒッチハイクのかなり実践的な知恵を数日前にホステルで出会った女の子たちに教わっていたり、昔勉強したドイツ語が唯一のコミュニケーション手段となってかなり重宝したり、ヒッチハイクの1台目と2台目の間歩いた静かでのどかな田舎道も、20kgのバックパックを担いでパタゴニアのパイネ国立公園で歩いたあの体験が、この重い荷物を背負っての数キロの徒歩移動なんか別に大した事じゃないように感じさせてくれたり。
でもこれは偶然ではなく、無意識の内に「成長したい」という思いが、次へのステップへの準備をすべく、知識を得る機会を広げ、その得た知識を消化吸収して、必要なときに必要な形で出てくるように脳にしまっていってるんだと思う。
昔からそうだけど、私はこの「あ、すべてが繋がってる!」という感覚が、「今までやってきたことに無駄はない」という充実感に繋がってるんじゃないかと思う。

まあ、そんなこんなで、大袈裟かもしれないけど無事、初めてのヒッチハイキングが成功しました!慣れるまで時間がかかると思うけど、慣れたらまた次のハードルが見えてくるんだろうな。その時まで、他にも色々と勉強・体験しながら精進しまーす。

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