2010年4月9日金曜日

Brazil: Pantanal: 悪夢の結婚記念日前夜

[ブラジル ~パンタナル~]

夜行バスは異常にエアコンがきいてて、とにかく寒い!
Joeがサンパウロ発のバスで寝れなかったのはそのせいだと思ってた。
そしてちょっと熱っぽかったのも、寝 れなくて疲れていたせいだと思ってた。
二人ともそう思ってたから、ナイトサファリ前にちょっと寝れば直ると思ってた。


が。


サファリの時間になって、寝ていたJoeに触れて見ると、熱い。異常に熱い。
なんじゃこりゃ?!一体熱何度あるの?!
やっと事態の深刻さに気づき、熱を計ったらなんと39.3度。
うぎゃ~~~~!!!!!
しかも、聞いてみたら熱以外は特に 病状なし。=風邪じゃない。=デング熱?マラリア?未知の病気?!


すぐサファリにいけないことをガイドに伝え、Joeにイブプロフェンを飲ませ、唯一英語が話せるガイドさんにこれからどうしたらいいか相談 した。

聞いてみたら、町に医者はいない。
一番近い医者のいる町まで、バスで1時間半。東のMirandaか西のCorumbaか。
どうしよ う、どうしよう。

「近くの店に、デングにも効くという風邪薬(Tilenol)を売ってるから買いに行け」と言われ(ガイドはもう一人のイギリス 人をサファリに連れて行かなきゃいけなかったから) たものの、道がわからない!!
他のスタッフは英語しゃべらないけど、取敢えずレセプ ションに行ってみた。
ラッキーなことに、そこにいたおばちゃんが、スペイン語が通じる!それもそのはず、そのおばちゃんはパラグアイ出身だった。一緒におばちゃんが行ってくれるということになり、片言のスペイン語で会話しながら歩くこと15分。

しか~し。
ローカルな小さい寂れたコンビニに着いたものの、なんと薬は明 日にならないと入ってこないとか…。どこまでツイてないんだ…。
がっかりしながら、宿に戻ったら、おばちゃんが「風邪薬ならあるよ」と持っ てきてくれた。 うぅっ、優しい…ありがとう(涙。


果物を食べさせ、取敢えず待つこと2時間。
薬が効いてきたか、熱が下がってきた。37.7℃。
少し安心し、取敢えず翌日ま で様子を見ることになった。
明日はもし治れば、ピラニア釣りと乗馬だ~!と夢を膨らませながら…。


ところが、夜中3時半。
Joeがトイレに起きて私も目が覚め、また熱を計ってみると、39.3℃!!!戻ってる!
また手ぬぐいを濡らし て額にあてながら、イブプロフェンを飲ませ、水を大量に飲ませ、汗かくようにいっぱい重ね着させ、寝かせ…。

声もほとんど 出せない位弱っているJoeを横目に、トイレの明かりを頼りに、ガイドブックでデング熱とマラリアについて調べ、日本で入っている海外旅行保険の保険証を 読んでどこに電話すれば良いか調べる私。
でも、風邪じゃない何か未知のものを目の前に、思考は悪いほうに、悪いほうにと進んでいく…。

ガイド ブックには、ホラーストーリーだらけ…。
「デング熱は、高熱が続き、…。治療薬はなく、水をたくさん飲んで安静にしてるしかない。時には死に至ること もある」。「マラリアは、24時間以内に死に至ることもある。蚊が媒体で、高熱、…」。

保険証には、ドキッとすること書いてあるし…。
「死亡保障、傷害治療費、遺体搬送費用、…」。

4月8日の、「付き合って9年 目、結婚してから3年目の記念日」を目の前に、もしも、もしも…。
なんで、もうちょっとサンパウロでゆっくりしなかったんだろう。そしたら英語や日本語をしゃべれる医者なんていっぱいいただろうに。
なんで、 カンポ・グランジでちゃんとJoeが熱っぽかったのに熱を計らなかったんだろう。そしたら、大きい町だから大きい病院もあっただろうに。
なんで、なんで…。残るのは悔いばかり。
もう泣きそうで、心臓がどきどきしてきて、落ち着かなくていてもたってもいられなく て、怖くて、怖くて、心配で。
でも、私がパニックになったらダメだ!(と言っても既にパニック状態だけど)と気を取り直す。

4時半、5時、5時半と熱を計っても、昨夜ほど熱が急に下がらない。
どうしよう。どうしよう…。(まだちょっとパニック)


そして6時半。夜も開け、朝食の為に食堂が開く時間。
やっとJoeの熱が38.3℃まで下がった。
気を取り直して、ガイドさんを探し、また悪化したことを報告。隣町に行 くためのバスを調べてくれた。そうやってドタバタしていると、オーナーのおじさんが「乗せてってあげるよ」(に近いことをポルトガル語で)と。
ありがとう~!!!!(涙
ガイドさんと話し合い、結局大きい町のコルンバよりも、予約を取ったツアー会社の夫婦がいるミランダに行くことに。彼らなら英語できるし、良い人たちなので絶対助けてくれるという藁をもすがる気持ちで。

こうしてオーナーと9時に出ることを約束し、私はJoeに果物の朝食を届けに部屋へ戻った。
それからJoeを気持 ちがいいからと外のハンモックに移動し、Joeの汗でびしょびしょのTシャツ3枚と下着と手ぬぐいを洗濯し、荷詰め。
折角のパンタナルツ アー、お金払ったのに何もしなかったな~とぼんやり考えながら、「いかん、いかん、今はそんなことどうでもいい!とにかくJoeを医者に連れて行かない と」と自分を戒め、そそくさと支度をする。

そして、9時。
オーナーは準備完了の私達を見て、「お~、ちょっと待ってて」と言い、やっと準備を開始した模様。…まぁ乗せてってくれるんだからいいけどさ。
結局、10時半にやっとボートに乗って対岸の車があるところに移動。

さあ、いざ出発!
と思いきや、またトラブル発生。車のギアが故障。
オイルを足したり、色々やって見ること1時間半…。「畜生、畜生!」と呟くオーナー。
その途端、申し訳なさそうになりながらも、どこか決心した様子に。「行くぞ!乗れ!」と。
私達は、まだその時状況を掴めていず、「あ、やっと直ったのかな?」とポジティブに考えていたんだけど、それからの1時間半、オーナーが運転しながら、時々真剣な顔でお祈りしているのをみて、やっと「あ、直ってないんだ。もしかしたら車が途中で壊れるかも知れないんだ…」と気づいた。
こうしてドキドキしながらも、一時間半後には無事ミランダに到着。
旅行会社のマルセロが町の入り口で待っててくれ、英語で「もう大丈夫、ようこそ、ミランダへ」と言ってくれたときにはやっとほっとした。
そこでオーナーからマルセロにバトンタッチ。オーナーに、「Muitissimo Obrigado!!!h(本当にありがとう)」とハグした瞬間、安堵感で気が緩んだのか、思わず涙がこぼれてしまった。

マルセロにバトンタッチしてから、彼らが経営する+住んでいるホステルに移動。
3時には、「医者の知り合いだから」ということで待合室で待っている他の患者を20人抜きして待ちなしで診て貰えた。(かなり後ろめたかったけど)。診察100レアルに、抗生物質20レアル。ちゃんと領収書も貰い、やっと私も落ち着いた。

本当は、デング熱とかマラリアの血液検査をしてほしかったんだけど、結局問診とお腹の超音波検査のみとなった。医師は、「熱だけで他の症状がないようだから、蚊が媒体の病気ではないね。何かのウイルスだろう。」と断言してそれ以上は何もしてくれなさそう。
勿論、彼はこの地方の病気のプロなので、ガイドブックや聞きかじりの素人知識で対抗しても仕方ないので、大人しくお礼を言って病院を去った。

そして、今日、私達の「付き合い始めて9年、結婚して3年の記念日」。
悪夢も終わり、Joeの熱は、37.2~38.4℃の間を行き来している。
いつもなら、レストランでワインを飲みながらコース料理、とか、温泉でゆっくり懐石、とかなんだけど、今年は、ホステルの庭のマンゴーの木にかかっているハンモックに揺られながら、「お互いが生きて隣にいるって素晴らしいことなんだ」と初心に戻れ、どんなに色んな人に支えられながら生きているのか、ということもすごく実感しできた、素晴らしい記念日になった。

ちゃんちゃん♪

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