2010年4月12日月曜日

Brazil: Pantanal (Braco das Piranhas): 迷子の大冒険?!

[ブラジル ~パンタナル~]

今日、Joeの熱も下がって体調も安定している為、ツアーの再開をすべくBuraco das Piranhas(ブラコ・ダス・ピラーニャス=ピラニアの穴)に向かう事にした。

本当は朝一番の9時のバスで出発する予定だったんだけど、Joeが耳が痛いと言い出した為、
大事をとって午前中また医者に行くことにした。
再度、Marcelloの知り合いのお医者さんが10人抜きで診てくれ(他の患者さんごめんなさい!)、
しかも特に異常がなく、私たちのことを気に入ってくれたのか、今回は何故か無料にしてくれた。
ありがとう~~!こういう人間的なお医者さんって好き♪いいね~、ブラジル!
また田舎に行くと伝えたら、一応耳の炎症止めの薬を処方してもらった。

Pousada Mandovi Ranch(Marcello達のホステルの名)での最後のおいしいランチは、
直火焼きの牛肉、インディアンの村で買ってきた豆のサラダ、ご飯、豆の煮物、マニョック(タピオカの元になる芋)の炊いたもの。
しっかり堪能し、パッキング開始!
その後1時半のバスに乗ろうとバス停に行ったものの、残念ながら満員(指定席)~。次の2時半のバスに乗ることになった。
Marcelloが職員の人にうちらが「Buraco das Piranhas」に行くことを伝え、チケットを買ってくれた。
そこでMarcelloとお別れ…。お世話になりました!

遅れて到着したバスに乗り込み、昨晩キャンプファイアーで夜更かししたこともあり、眠り込んじゃった。
大体一時間半後に着くのはわかっていたのだけど、途中道路工事や休憩があったし、遅れているのだろうと、二時間後位に「そろそろ着くよね~」なんて言ってたんだけど…。バスが止まる気配はなし…。
出発して二時間半経過。
(おかしい…)。無言の内に不安がうちら二人の心を占めるようになる。
とうとうJoeが拙いポルトガル語を駆使し、バスのドライバーに確認しに行くと…。
ガーーーーン!!
「もう通り越しちゃったよ。」

おーーーーい!!
いつもバスに乗るときは、必ずどこに行くか運転手さんに伝える私達。
今回は、Marcelloがチケットを買ってくれたときに職員の人にちゃんとどこ行くか伝えてあったのと、
職員の人がうちらが乗り込むときに早口でバスのドライバーに何か言っていた事から、
うちらの行き先がちゃんと伝わっているのだろうと思い込んでしまった。
もしかしたら運ちゃんが忘れただけかも知れないけど…。
でも確認しておけば状況は違ったかもしれない。私のバカバカバカー!!!

次のCorumnba(コルンバ)=終点まではBuraco das Piranhasから1時間半。途中は湿地帯が広がるばかり。
こうなったら選択肢は三つ。
① コルンバで一泊して明日のバスで朝戻る
→ バス代と、今晩のホテル代も勿体無い!

② コルンバでUターンし、バスで今夜Buraco das Piranhasにもどる
→ バス停の周りには交番しかないし、ホテルまでは15キロの、
ワニや蛇がいる電灯もない湿地帯の中の一本道しかない。しかももしそれを歩けたとしても川はボートで渡らなくてはいけない。
なので、必ず迎えの手配が必要。夜遅く着いて交番に誰もいなかったら、かなりヤバイ。

③ ミランダまで戻り、Marcelloに連絡し、もう一泊とめてもらう。
→ 一番安全策だけど、結局バス代と1日無駄にしてしまったことになる

既にバスの運転手さんは次に会った反対方向行きのバスにただで乗せてもらうよう手配してくれると
約束してくれてしまっていて、うちらにはポルトガル語で「いや、やっぱり①にするからいいや」なんて
言える能力もない。ということは、もう②か③しかない。

一番いいのは、どうにかホテルの迎えをBuraco das Piranhasで手配すること。
ポルトガル語の会話本を片手に、Joeが頑張ってバスで他の乗客に携帯電話を借りようと試みた。
しか~し。さすが広大な(フランス国土の半分)湿地帯が広がるPantanal(パンタナル)。
電波が通じな~い!

走行する内に結局コルンバに入ってしまった。そこで反対方向行きのバスに遭遇!
路肩にバスを止め、反対方向のバスに交渉に運転手さんが行ってくれた。
素早くバックパックを背負い、手伝ってくれたおばちゃんおじちゃんにお礼を言い、
道を渡ってバスに乗車。
ふぅ~。一息ついたものの、問題は解決していない。

また何人かに携帯電話を貸してもらい、町に近い電波のある中で連絡を試みたものの、
すぐ電波がなくなってしまった。
もう辺りは真っ暗。私達の心も真っ暗…。

まあでもやっぱりただ呆然としてるよりも、こちらから話しかけていろんな人に助けて貰い、
数人が既にうちらがどんな状況にいるかなんとなく把握してくれているという安心の為か、
「なんとかなりそう」と漠然と構えていられた。これも旅の経験値が増えてきたという事かしら。

午後7時45分、運転手さんが「Buraco das Piranhasに着いたよ~!」、と呼んでくれた。
降車口で見ると交番にまだ明かりが点いてる!
周りの乗客の人も温かい目で送り出してくれる中、またまた 「Muit Obrigada!(ほんとにありがとう!!)」
を連発しながら下車。
バスが行ってしまうのを不安にかられながら見送り、気を取り直して、鉄砲を腰に挿した強面の警察官らしき迷彩服を着た男性に話しかける。

「電話したい、旅行会社はミランダ、でもホステルはここ、迎えが必要」
みたいなポルトガル語で話しかけたら「お~、わかったわかった、入りなさい」と網戸で前方囲ってある小屋みたいな交番に招き入れてくれた。
ホテルの番号はわからなかった為、私達が持っていた名刺を頼りにMarcelloに警察官のおじさんが電話してくれた。
すぐにMarcelloから折り返し電話があり、「もう大丈夫、迎えの手配したよ」と言ってくれた。
ボート&車で20分はかかることを知っていた為、交番で警察官のおじさんと記念写真を撮ったり、
ドラマを観たり、他愛のない会話をしたりしながら、やっと心から安心して時間を過ごすこと暫し経過。

日系人のドライバーとホテルのスタッフが着いたのが8時15分。
ポルトガル語は通じないが、日本語が通じる!これまた不思議な縁だなあ。
おじいさんが日本人だとの事。
遅くなった為、きっとホテルのドライバーがいなくて、この方が駆り出されたのだろう。
ごめん&ありがとう!

20分間、車・ボートに揺られながら、街灯なんて無い真っ暗な道を眺め、本当に迎えの手配ができてよかったと思った。数時間前には、楽観的に、「歩いていけるかもしれない」なんて思ってたけど、それは甘い考えだったことが判明。
とにかく、暗いし遠い。しかも前回来た時にワニを数匹見てるから下手に怒らせると襲われるという恐怖もある。
そんなことにならず、嗚呼、よかった…。

それにしても、Marcelloといい、お医者さんといい、バスで会った人といい、警察官の人といい、
ブラジル人はとってもフレンドリーで困っている人を全力で手伝ってくれる。(勿論仏頂面の人もいるけど基本的にみんなすごく優しい)
こっちがポルトガル語しゃべろうがしゃべらまいが、ずっと話しかけてくれ、時には「どこから来たの?」とか「ここらは蚊がひどいよね~」なんて関係ないことまで話題を広げ、不安を取り除いてくれようとしてくれた。

ブラジルに来る前は、ブラジルは高いし、リオもサンパウロも危ないと聞いていたのであんまり魅力を感じていなかったんだけど、もうすぐブラジルを出るとなった今、パンタナルだけでなく、他のところで会ったブラジル人も含め、実はすっかりお世話になり、またブラジル人の温かい心にすっかり魅了されてしまったのに気づく。
ありがとう、ブラジル!!

今日一日、かなりドキドキしたけど、今となってはちょっとした大冒険で楽しかったかも…。
ブラジル人の親切心を私もちゃんと見習って、東京で困ってる旅行者に会ったらこちらから声をかけて、全力で助けてあげようと満点の星の下、心に誓ったのでした。


☆豆知識 ~Buraco das Piranhas~
Buraco das Piranhasとは、「ピラニアの穴」 の意。
雨季には広大な土地にいたるところに水が溢れているのだけど(湿地帯だから)、乾季になるとほとんどの池や水溜りが乾いてしまい、ポツポツと池が残り、後は川が残るのみとなるらしい。
ここBuraco das Piranhasはそんな乾季でも池が残るところで、行き場を失ったピラニアが集まって乾季の間生息するんだって。だから「ピラニアの穴」。

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