2010年5月4日火曜日

Bolivia: Tupiza: 臨機応変 万歳!!

[ボリビア ~トゥピサ~]

5月3日午前6時。
パチっと目が覚めた。急に心配事が心をよぎり、それから眠りに戻れなくなってしまった。
それは、ボリビア滞在期限。

考えて見たら、あんまり長居する予定じゃなかったボリビアが、すっごく気に入って、いつの間にかもうあと2週間しか滞在できない。

ボリビアのビザは少しややこしい。
ビザ自体は日本人は90日は大丈夫なはずだし、旦那のビザも高かった分だけあって5年は大夫。
なので、一応滞在はできるんだけど、入国時に何故だか「30日」というハンコも押されてしまった(入国フォームに30日って書いたからなんだろうけど。もうちょっと長めに書いときゃよかったと思っても、もう後の祭り)。
このハンコの日数以上いると、移民局に行かなくてはいけない(噂では出国時に滞在オーバー日1日毎に20ボリビアーノのペナルティを払えばいいとかも聞くけどリスクがあるのでやめた)ので、面倒くさいのだ。

ボリビア出国前にまだすべきことは、
1)Tupiza(トゥピサ)で乗馬ツアーと、
2)トゥピサからSalar de Uyuni(ウユニ塩湖)へ3泊4日のツアーで行く事。
Sucre(スクレ)からトゥピサへの移動日+ツアーを探して申し込む日+そして実際のツアーの日数、を考えると、水曜の出発予定だったけどそれまでスクレでゆっくりしている猶予が無い!

そんな事を考えてると、夜寝たの遅かったのに、すっかり目が覚めてしまった。
選択肢はただ一つ、今日出発するしかない。
「ジョー、起きるんだ!今日出発するぞ!」

旦那をたたき起こし、やるべきことをリストアップ。
①バスチケット
兎にも角にもバスチケットが無いと始まらない。Oasis tourという旅行会社が開くのが8時。もうすぐだ!
②現金の準備
噂では、トゥピサもウユニもATMが無いか、或いはATMの現金が不足する事が多くて下手すると滞在日数を延ばさないといけなくなる事もあるらしく(ウユニは塩湖はきれいだけど、町自体は全然面白くないらしい)、まずはお金が必要。
しかも、ツアーを二つもやる為、かなりの現金が必要。
③シャンプー、1週間目をつけていたポケットナイフ、バスで食べる物を買う
④洗濯
⑤パッキング

①、③、⑤はすぐできたんだけど、洗濯は出発までに間に合わない為、残念ながら出来ないことが判明。
まあ仕方ない。

さて、問題は②。
ATMに行って、現金をおろそうとしたら…クレジットカードが無い?!?!?
さーーーっと血の気が引いた。

それから出発まで、町中駆け回る羽目になってしまった。
多分無くしたのは、前日ATMで現金をおろした時に、ATMからカードを取り忘れた可能性が高い。
ATMに食われたか、他の人にそのまま持っていかれたか。

一応部屋とATM周辺をもう一度探しまわり、
ATMの所属する銀行に行ったら金曜日まで待たないとわからないと言われ、
それならスクレのATMを統括しているオフィスに行けと言われ、
行ったらまだわからないから12時に戻って来いといわれ、
そして12時に戻ったら、…
カードがATMに無いことが確定した。

ガガガガーン…ガラガラガラガラ…少しの希望が消えうせてしまった。

こうなれば、カードを止めるしかない。
またホステルに駆け戻って日本のカード会社にSkypeで電話。
こっちは急いでるっちゅーのに、本人確認の後も、タラタラタラタラ「お財布ごとなくされましたか?それともカードだけですか?」
などと、どうでもいい事を聞いてくる。

「とにかく、早くカードを止めてくれぇぇぇ~~~!!!」と言いかけたとき、
急に電話が切れた。

おーーーーーい!!!! …またホステルのWifiのトラブルだ。

バス停に向かって出発するまで後20分。
直すのを待つより、ネットカフェに行ったほうが近いと言うことで、走って走って、ネットカフェ(電話もある)で国際電話かけて、やっとカードを止めてもらえた。ふ~~~。
再発行する羽目になったけど、取敢えずなくしてから誰にも使われて無いとの事だったので、一安心。

でもホッとするのも束の間、走ってホステルに戻った所で、丁度タクシーが来ていたのでその足でRoxannaにバイバイを行ってバス停に。
あ~、間に合ってよかった。

それから、狭いけどまあ普通の快適な 「6 de Octobre」というバス会社のバスで(ボリビアのバスは評判が悪く、時々椅子のクッションが無いとか、やぶれてるとか)11時間の旅。
本当は9~10時間って聞いてたんだけどな~。
でも日が暮れるまでは、景色が素晴らしく、写真をいっぱい撮れたのでよかった。

途中、世界で一番標高が高い町(村は除く!)のPotosi(ポトシ)を通過。トイレで降りたけど、フラフラ…。
空気やっぱり薄いなあ。そして寒い。
ポトシは、その昔鉱山町として世界中に名を馳せた町。
しかし、今はもうそんな面影も無く、舗装された道路も少なく、古びて壊れかけている建物が多く、きれいな街とは言いがたい。
観光客は、ポトシに来ると大体3時間の鉱山ツアーをするんだけど、その異常な労働環境にショックを受け、もう行きたくないと言う。
そんな所で、今でもコカ の葉を噛み、強いアルコールを摂取しながら、安月給で奴隷と変わらない状況で代々働く人々。
これまで400年で4万人を亡くしたと言う悪魔の鉱山。鉱山の一角にある白い十字架がずらーっと並ぶ光景を見たとき、背筋が凍る思いをした。


話し変わって、バスの話。
最初「やっぱりボリビアのバスは、アルゼンチンのバスと違ってライトもクーラーも着いて無いね」とかジョーと言ってたんだけど、クーラー全く必要なし!!!
標高が高い為、異常に寒く、降りたときには二人とも手足が冷え切っていた。
ライトがついてなかったのもよかった。お陰で、満点の星が見え、大きな流れ星も見れた!

さてさて、無事トゥピサに着いて安心したのも束の間。
サクサクとバックパックを担いで、2.5ブロック程歩くと予約してあったホステル、Los Torres 発見!
しかし…ここ田舎のトゥピサでは、夜中12時半なんて誰も起きてない。
道を歩いている人もほんの2~3人。
勿論ホステルは真っ暗…。
この町、安全なのは嬉しいけど、寒くて野宿は無理。
ドアベルも無く、ドアを叩き続けること15分。誰も起きてくれない。
ううっ。

取敢えず、バス停に戻って電話を探そうと戻りかけると、誰も人がいないのに開けてる屋台のおばちゃんが「?que pasa?(どうしたの?)」と聞いてくれたので、事情を説明。
そうしたら、「バス停はもう閉まっちゃって電話は無いよ。頑張ってもう一度ドアを思いっきり叩いてごらん。それでもだめだったら、MitruとHermosaというホステルもあるから、試しに行ってみな。」と、有力な情報を教えてくれた。
ありがとう!!!

ということで、もう一度行って今度は遠慮なしにドンドンドンドンドアを叩いてみた。
でもやっぱり返事が無い。
仕方が無いので、Hermosaに行ってみた。しかし、ここはドアベルも無いし、門があるため、ドアを叩くところまでいけない。
「野宿…」という言葉が一瞬二人の頭によぎったけど、それもあの屋台のおばちゃんの所で座ってれば可能かもと思えた。
それでも、希望を捨てずに、また静まり返った夜道をバックパックを背負った旅人達はMitruへ。

おおおおっ!!!
ドアベルがある!
とっても申し訳なかったけど、ドアベルを数回鳴らすと眠そうなお兄ちゃんが起きてきて入れてくれた。
夜中1時半。
冷え切った身体をシャワーで温め、ベッドに入るとあっという間に寝てしまった。
あぁ、本当によかった。もう一歩で、初めてのホームレス体験(冬編)をするところだった。。。

なんだかドタバタした一日だったなぁ。
でも、思ったよりカードがなくなった事も、「仕方ない」と気持ちをすぐ切り替えることができたし、結局は野宿をせずにすんだ。
臨機応変に対応して、ちょっと旅人として成長?!

この調子でこれからも頑張りまーす!

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