2010年9月9日木曜日

Israel: Nazareth: 当たって砕けて、イエスの家へ

[イスラエル ~ナザレ~]


「国境でビザ取れるよ」
「ビザは、大使館に連絡したりする関係で6時間くらい国境で待たされるけど、 取れたよ」
「ヨルダンから行くなら、アンマンでビザとって行ったほうがいいよ」
「自分の国にシリア大使館がある場合は、自国以外でシリアビザ取れないよ」
「今年6月くらいから、アメリカ人は国境でビザとれなくなってるらしいよ」



シリア国境に向かうタクシーで
いろんな情報が飛び交う、国境でのシリアビザ取得事情。
国境越えはいつもストレスが溜まるイベントだけど、シリア国境ほどどうなるかわからない状況は今まであんまりなかった。

日本人にとって、シリア国境でビザ取得するのは、勿論当たって砕けろだけど、確率はゼロではなさそうだったので私は特に心配しないことにした。
一方、アメリカ人は…。
そう、アメリカはシリアとあんまり仲が良くない為、確率はかなり低いのだ。
そして、6月位から国境でのビザ発行がことごとく拒否されてるというウワサも多い。

これはもう、行ってみないとわからん!
しかも、ラマダンの終わりが二日後に近づいているため、急がないと!
ラマダンが終わるとすぐお祭りが始まり、家族に会いに交通機関が麻痺する(お休み&渋滞)するのだ。

朝、どきどきしながら Irbid(イルビッド)を出発。
まず、バスで国境の町、Ramtha(ラムサ)へ。

イルビッドのホステルからバス停のSouth bus stationについた瞬間、タクシーの運ちゃん達に囲まれ、「そんな荷物抱えてんなら、タクシー乗っていきな。ラマダンだから、バスはあんまり動いてないよ」といういつもの常套文句。(「ラマダンだからバスはない」という、こっちが何も知らないと思っていっつも言うタクシーの運ちゃんの嘘!確かに、夕方以降は、バスなくなるけど。)


そんなのにめげず、のしのしと朝の混み合うバス停を突き進み、ラムサ行きのミニバスを発見。
ふぅ~。0.4JD払い、バスに揺られること約30分。(イルビッドからラムサまでは10km位だけど)


ラムサの町に着いたらまたまたセルビス・タクシーの運転手さんが声をかけてくる。「国境までは6JDだよ」と。
あまりにも高いので、バス停から離れ、適当に道でセルビスではなく、タクシーを捕まえたら、なんと1JD!
すんなりと国境近くの検問(?)まで行くと、そこで降ろされた。

しかし、結局そこで、国境越え(ヨルダン側からヨルダン国境、シリア国境を抜け、直近のシリア側の町まで行く)をするにはセルビスを使わないといけないと言われ(運転手さんたちはちゃんと自分のパスポートを携帯している)、結局そこから5JDでセルビスに乗ることに。
最終的に、バス停で言われた値段と一緒。なんだ。それが相場なのか~。いい勉強になった。


さて、ドキドキしながらヨルダンの出国税を払ってシリア側の国境へ。
ここまで来るのに、途中の警察や宿のおじさんなど、複数人に「シリアの国境は?え?無い?国境で取得?え?アメリカ出身?無理だよ」と何度言われたことか。
いよいよ、答えが出るときがキターーーーーーーーーーー!

運転手さんが、入国審査官にうちらの出身地を説明。
その時点ですぐに答えが出た。
「アメリカ人?ここじゃビザ出せないよ」

結局やっぱり無理かあ。即答だなあ。悔しいくらい。

一方、日本人は国境での発行は可能らしい。
「一人で行く?彼とヨルダンに帰る?」

うむぅ~。まあ、そりゃ一緒に帰るさ。(と伝えた)

しかし、運転手さんが粘ってくれた。
「でも、奥さん日本人だよ。ビザ取れるじゃん。でも、一人じゃ行けないよ。旦那のビザ、何とかならない?」
アラビア語なので、会話は全く理解できなかったけど、なんとなくそんな感じで会話が進められていたんじゃなかろうか。

座るように言われ、なるべく明るく仲良い夫婦に見えるよう努めてたら、審査官が「パスポートのコピーをとって来い」と運転手さんに命じている。ここまでで、正味30分。
「おっ、脈あり?!?!?」

ドキドキドキ...。
さらに待つこと30分。運転手さんがコピーとったりなんだかうちらの秘書になったみたいに動き回ってる。

そしたら審査官が歩いてきて、手招きして...
「welcome to Syria! こちらに来なさい。」
と外へ。

おおおおおおぉぉぉぉっっ!!!!!
普通にビザ取れたとしても6時間待ちと聞いていたのに!Joe、アメリカ人なのに!
こんなにすんなりと取れていいのか?!?!やったぁぁぁ!


...と思ったのも束の間。
ヨルダンに向うセルビス・タクシーの方にスタスタと案内され、じゃーね、とパスポートを渡された。
なんじゃい!
残念。やっぱりダメだったのだ。
パスポートのコピーまで取られちゃったし。今後国境越えは絶望的か?!

仕方ないので、イルビッドに舞い戻り、今度はイスラエルの国境を越えることに。
シリアに行けないのなら、イスラエルも行ってみたかったので行ってみる事にした。




道の真ん中で降ろされた
こうして、今度は、西へ。
イスラエルの国境までまたミニバスで45分ほど。そんなに遠くない。
いろんな人に道を聞きながら、国境行きのバスに乗り込み、「あっちに500mほど歩いたら国境だから」と何にも無い道の真ん中で降ろされ、暑い中てくてくと歩き、やっと着いたイスラエル国境。

こちらの国境も、ちょっと面倒なのだ。
イスラエルは基本的に周りのアラブ諸国と仲が悪いため、イスラエルに入るときも出るときも、国の仲にいるときでさえ、セキュリティがと~~~~っても厳しい。

それでも、うちらが越えた、Sheikh Hussein 国境 (Jordan Valley国境)と言われるイルビッドの西の国境は比較的あまり観光客が使わないため、国境越えしやすいといえばしやすいんだけど。

他の国と比べてきーーーびしー入国審査で、荷物チェックが長いだけでなく、一人一人たーーくさん質問され(アジア人だとあんまり質問されないけど、白人だと、親の名前、祖父母の名前、親の大学、など、「なんで?」と思うような質問を細かくされる)、とにかく時間がかかる。
まぁ、私たちは入れてさえくれればハッピーだったのでいいけど。



こうして、2回のヨルダンの出国税、ドキドキとがっかりと安堵、数回のミニバスの旅を経て、無事イスラエルに入国!!

イスラエル入国は全く予定していなかったため、「国境越えたら、さっさとバス乗ってエルサレムを目指そうね」と言っていた私達は、ここで衝撃の事実を知る。

なんと、ラマダン明けの前にイスラム教国を抜け出そうとやっきになっていたけど、イスラエルも、丁度この新月は新年でもあったのだ~!(ユダヤ教のイスラエルも陰暦を使う)

お陰でこの日は、日本で言う大晦日。
車も、バスも全て停止。
動いているのはタクシーのみ。
そして全てがホリデー価格。(10%~40%ほどタクシーやホステルが高い)

ナザレの受胎告知があった場所
ただでさえ物価が異常に高いこの国、お休みとあってタクシーも異常にふっかけてくる。
国境の村は何も無いから、せめてアラブ系人の多い(=レストランなど店が開いていて食いはぐれない)Nazareth(ナザレ)へ行ったほうが良い、と。
ナザレまで1時間弱。250NIS。約6000円。
日本並みじゃ~~~!!

でも、朝から精神的にも体力的にもバリバリ動いたので、もう考える気力さえない。
がっくりと肩を落とし、ナザレに行くことにしたのだった...。


こうして、シリア国境越えを試みたものの、見事当たって砕け、イエス・キリストが生まれ育ったナザレに漂流したのでした。ちゃんちゃん♪

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